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タネもワタも

  • 2020-09-14 (Mon) 09:55
  • 総合

 NHKテレビをつけると料理番組を放送していた。何気なく見ていると、ピーマンの肉詰めのレシピのようだった。私はピーマンを好物とは呼ばないが、お肉やウインナーの炒め物をする時は必ずと言っていいほどピーマンを使う。もちろん、中のタネとワタはきれいに落としていた。もったいないと思ったことはない。そういうものだと思っていた。
 ところがこの日の放送では、料理人の人はタネもワタも活用していた。途中から見たのでよく分からないが、どうもヘタ以外は捨てるところはないような感じだった。急ぎパソコンを開き調べてみると、「タネもワタも捨てる必要などない」「むしろ栄養価はタネやワタにこそある」などといった説明が目に飛び込んできた。ええ!?そうなの?! 私はこれまで大切な栄養分を流しに捨てていたのかいな。ネットで調べて初めて知ったことはそれだけではない。ピーマンはレモンの2倍と言われるほどビタミンCが豊富で、その他のビタミンや鉄分、カルシウムなど栄養価の高い野菜だということも教えられた。
 それでふと思った。健康にいいと認識して以来、らっきょう酢につけピクルスにして好んで食べているゴーヤ。ゴーヤも必ず、中のワタをごっそりとそぎ落としているが、ひょっとしたら、これも食べることができ、しかも栄養価に富んでいるのでは? ネットで調べてみると、ピーマンと同じようなことが指摘されている。おらは知らなんだ! よく利用する八百屋のおばちゃんにこの仕入れたばかりの情報を告げると、彼女もひどく驚いていた。
 ネットで調べると、ゴーヤにはピーマン以上のビタミンCや鉄分、カルシウムなどが含まれており、しかもゴーヤのビタミンCは加熱処理にも耐えうることが書かれている。特筆すべきはゴーヤのタネは本体の2倍、ワタに至っては3倍のビタミンCが含まれていると紹介している投稿もあったことだ。私は早速週末、ピーマンのタネをつけたままの肉詰めに挑戦し、焼酎の肴とした。ゴーヤも今後はワタをつけたままピクルスにするつもりだが、残念なのはシーズンがそろそろ終わることだ。
                  ◇
 毎朝、アメリカで毎年刊行されているキリスト教の敬虔な信徒の人々が日々の思いをリレー形式で綴った書を一ページずつ読んでいる。日ごとに聖書の教えの一節が紹介されており、心が洗われることが多い。余録で英語の勉強にもなっている。
 先日はProverbs(箴言)の一節が紹介されていた。As iron sharpens iron, so a person sharpens his friend. この日の筆者は転居の度に新しい友人に恵まれ、自分の人生がそうした友人たちによって豊かなものになっていることを神様に感謝していた。末尾は以下のように締めくくられていた。My life is richer for having uprooted several times over the years. And each stop has added new and sweet friends to my life.
 上記のような文章に出合うと、私はちょっと手がとまる。uproot という見慣れない語がすっと脳内に入って来ないのだ。辞書を引いて疑問点は氷解した。uproot は ①根こそぎ抜く②追い立てるという他動詞だけでなく、③長く住んでいた土地を離れるという意味の自動詞でもあることが分かったからだ。上記の文章は③で読めば「転居する」(move)ということですっと理解できる。

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