- 2020-05-12 (Tue) 11:22
- 総合
断捨離の一つで押し入れにしまってある本や書類などを整理し始めた。おそらくもう二度と読むことのないような書籍はこの際、資源ごみとして出そうとも思っているのだが、すっかりその存在を忘れていた本を手にすると、懐かしさもあり、そこで作業の手がとまる。
そうした作業の中でふと、台北を旅していた時に風刺の効いた名言で知られる作家、オスカー・ワイルドの言葉を中国語に訳した名言集を購入していたのでという思いが浮かんできた。本棚や机の周囲などあちこちを探したが、見つからない。台北の書店でしばしその本を読みふけった記憶があるが、結局買い求めなかったのだろうか。残念! 安上がりがモットーの旅だったから、最後に値段と重さから断念したのかもしれない。中国語の読解力が少しはついた今なら、当時よりずっとワイルドの世界を楽しめていたことだろうに!
あれこれ書籍を漁っているうちに一冊の本に目がとまった。過去にこのブログで紹介したか記憶がないが、関西に住む知己のU先生が私が中国語を独学していると知って、親切に送って頂いた本だ。『単語力完全マスター(単語力メイン)英=日=中』。はしがきに、この本の目的は学生が英語の語彙力と構文力を習得することにあると書かれている。U先生は流通科学大学で教鞭を執っておられた英語学の先生で、おそらく同僚の先生の方々と共同で執筆されたものだろう。
ユニークなのは書名から分かるように、中国語の訳文も添えられていること。ピンイン表記まではされていないが、中国語の文章を日本語、英語とともに味わえるようになっている。この本が送られてきた頃は私の中国語の読解力の問題から、「積読」状態になっていた。忘れていたわけではなかったが、中国語の壁があまりに高かった。それがこの数日、再度手にして読んでみると、ピンイン表記がないので、実際の発音はおぼつかないが、意味合いは割とすっと頭に入ってくる。そして面白い。これからじっくり読み進めていこう。
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少し前にアメリカの高級誌「ニューヨーカー」のコラムニストでベテランジャーナリストのスーザン・グラッサー氏のコラムをネットで時々拝読していると書いた。
週末には次の見出しのコラムを興味深く読んだ。Has Trump reached the lying-to-himself-and-believing-it state of the Coronavirus pandemic?(トランプ氏はコロナウイルス・パンデミックで自分自身を偽り、それを信じるようになる状態に陥ってしまったのか)。何だか「嘘も百回言えば真実になる」という文言を思い出してしまうが、大統領に批判的な主要メディアの報道を「フェイクニュース」と非難するトランプ氏は誰が見ても矛盾に満ちた発言、事実誤認の発言を繰り返しているうち、それが真実だと自分でも思い込んでしまっているのではとこのコラムニストは分析している。
そのくだりの一文を紹介すると————。Either Trump is the most brazen politician in the long line of brazen American politicians or he somehow had been brainwashed by his own B.S. ———— brazen とは「鉄面皮の」「恥知らずの」という意味。
最後のB.S. は bullshit (大ぼら、たわごと)の略語らしい。トランプ大統領の「人となり」を実に明快に切り捨てている。私にも異論はない。