- 2020-02-22 (Sat) 17:18
- 総合
今週末は毎年この時期恒例の参拝登山に出かけるつもりにしていた。鹿児島・南大隅町の稲尾岳。新聞記者時代の取材が縁で毎年、佐多地区にある辺塚と呼ばれる集落の参拝登山にお付き合いするようになってもう10年になるだろうか。ネットで博多―鹿児島中央間の九州新幹線の往復切符を早めに購入しておいた。最近は少し休みがちだったとはいえ、香椎浜でのスロージョギングもずっと続けており、体力的にも準備は万全。
そこに南大隅町のTさんから今年は個人的事情があって同行できないとの電話が入った。Tさんの同行がなければ現地の辺塚に行くこと自体が難しく、残念ながら断念せざるを得なかった。辺塚集落の人たちと一年ぶりに顔を合わせることを楽しみにしていたが、やむを得ない。参拝登山の日曜日朝、香椎浜をスロージョギングして稲尾岳方面を見て手を合わせることにした。方向音痴だから、正しい方角を向くことができるか自信がないが。
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米大統領選の民主党指名候補争い。支持率が上昇中のマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長(78)がテレビ討論会に初めて参加した。時間が時間だけにCNNの生中継にお付き合いはしなかったが、翌日のCNNで何度かハイライトの場面を視聴した。
何と言っても超の付く大富豪のブルームバーグ氏が他の候補たちから袋叩きに遭ったシーンが印象に残った。特にこのところ支持率に陰りの見えるエリザベス・ウォーレン上院議員(70)の「口撃」が激しかった。“I’d like to tell you about who we’re running against: a billionaire who calls women ‘fat broads’ and ‘horse-faced lesbians,’” she said. “And, no, I’m not talking about Donald Trump. I’m talking about Mayor Bloomberg.”
まるで「敵は本能寺に在り」といった感じだった。世論調査の支持率ではバーニー・サンダース上院議員(78)がまだトップの座にあるが、巨額の私財を投じたPR戦術で上位を脅かすまでに浮上しているブルームバーグ氏。いまだ予備選や党員集会で公式に出馬していないブルームバーグ氏に対し集中砲火的な批判が浴びせられたのは、彼が民衆党陣営内でいかに脅威の存在となりつつあるかを物語ってもいるのだろう。
ところで私は上記の文章の “fat broads”(太った女) と “horse-faced lesbians” (馬面のレズビアン)という語は初めて見た。辞書にはbroad はスラングで「女」あるいは「売春婦」を意味するとある。日常生活で絶対に口にしてはいけない語のようだ。ネットでチェックしてみると、ブルームバーグ氏はかつて英国王室のメンバーを上記のように「形容」したとか。2001年に彼の発言をまとめたものが小冊子となり、ネットで読むことができた。なるほど、彼にはそれを今引用されると足元をすくわれそうな過激な発言が並んでいた。
ブルームバーグ氏は経営する会社でセクハラ疑惑があり、被害者には他言無用の口止めを課しているとか。ウォーレン議員はこの点に触れ「彼女たちに自由に発言させなさい」と迫った。守勢一方のブルームバーグ氏の顔をカメラがとらえていたが、その強張った表情から心中の困惑が見てとれた。米メディアが一斉にブルームバーグ氏にとって討論会初参加は “disaster”(大失敗)と判定したのも理解できる。彼が今後どう反撃するのか見ものだ。(その後、ブルームバーグ氏が他言無用の口止めを破棄との報あり)