- 2019-08-05 (Mon) 10:20
- 総合
日曜日。久しぶりに小倉競馬場に足を運んだ。もちろん競馬を楽しむためだ。といっても実際の馬券は買わない。予想してその結果を楽しむだけだ。当たれば良し、外れても痛くも痒くもない。究極のギャンブルの楽しみ方のようにも思える。競馬にしろ、パチンコにしろ、カジノにしろ、身銭を賭けるのは愚の骨頂。傍観者として楽しむのが一番というのが私の持論だ。この境地に達するまで実に高い「授業料」を支払ってきた。
パチンコから足を洗って何年になるのか。手帳を見れば分かるのだが、4、5年かそこら、いやもっとそれ以上になるかもしれない。長くやっていれば必ず負ける、それになにより時間がもったいないというのが遠ざかった理由だ。今はジョギングの途中でお手洗いを借りる時に店内に足を入れることはあるが、台の前に座りたいとは露思わない。
競馬。これは長年の付き合いがあるので、週末予想だけはさせてもらう。競馬はある意味、「馬の血筋が重要な要素」だから、記憶が物を言うギャンブル。だから、馬券は買わなくとも予想(推理)するだけで十分面白い。JRA(日本中央競馬会)が膨大な資金を投入してお膳立てしてくれるレースを元手ゼロで楽しめるのだからこんな贅沢な遊びはない。
前置きが長くなった。そういう次第で普段はアパートでケーブルテレビを通して競馬を楽しんでいるが、今の時期は小倉競馬場で夏競馬を開催中。現役の頃は福岡から電車やバスで何度足を運んだことか。たまにはいいだろうと日曜日、電車に乗って出かけた。小倉記念というご当地のレースが行われることもあってか、私がこの競馬場で経験した中では一番混んでいた。お昼を食べるのも一苦労だった。
場内にいる限りは冷房が効いていて快適なのだが、馬が走っているところをこの目で見ようと場外に出るといや、焼けつくように暑い。こんなに暑ければ、騎手はもちろんだが、競走馬も大変だろうなあ。じっくり予想して結果を楽しもうと思っていたが、あまりに暑さにその気も失せた。パドックでぼけーっと馬を見ていたら、後ろの学生らしき若者2人の会話が聞こえてきた。「おい騎手の後ろに書いてある体重のようなものは何だ? 均等ではないようだが」「あれは馬がレースで背負う斤量だよ」「何だ?その斤量ってのは?」
一人は明らかに競馬の初心者のようだ。女優が楽しそうに語らうJRAの華やかなCMに誘われて競馬に足を染めつつあるのかもしれない。やめておきなさい。その歳で始めたらろくなことはないよ。競馬を楽しむのは定年後で十分だよ。遅すぎることはない!
小倉のメインレースが終わった時点で競馬場を後にした。以前は他場の最終レースまでみっちり勝負して人様には言えない額の大敗を喫して帰路に就いていたものだが。もはや馬券に対する「情熱」は枯れてしまった。80歳にでもなって健康で小銭が自由になるような身分だったら、その時また改めて考えよう。
この日、一つだけ感心したことがあった。勝利騎手が表彰後、ファンに色紙にサインする光景がよく見られるが、この日、表彰式が終わっても、結構長い時間、ファンの要望に応えてサインする騎手がいた。次のレースに騎乗予定がなかったこともあるだろうが、もういいのではと思うくらい、辛抱強くサインに応じていた。福永祐一騎手。私は好きでも嫌いでもない騎手だったが、これからはできるだけ応援したくなった。
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