- 2019-07-22 (Mon) 14:27
- 総合
土曜日夜。インドネシアからの受講生二人を日本食レストランに招待して今回の台北行きは終了。翌日曜朝、少し歩いて台湾のお気に入りの朝食を食べてホテルに戻る。すでに汗びっしょり。シャワーを浴びてチェックアウト。以前に行ったことのあるマッサージ店を訪ね、覚えているマッサージ師に身体をもんでもらった。少し中国語で会話もした。
日曜夜無事帰国。今回の台北の旅はわずか4日間だからどうということもないはずだが、少々疲労気味。一つには帰途の飛行機が揺れたこと。離陸直後に機長から「本日は雨雲のため時々の揺れが予想されますので、シートベルトを外さないように」といった趣旨のアナウンスが聞こえた。私の席は中ほど、右の翼の辺りで窓側。小窓から外の雲の様子がよく見える。離陸直後は灰色の厚そうな雲の中を疾走していくのが見えた。
高度1万㍍を超えた頃からは雲の上を飛ぶことになり、揺れることはなかったが、九州に近づくにつれ、また雲の中に突っ込んでいくような感じで、心中穏やかではなかった。私は新聞社特派員時代にはかなりの頻度で飛行機に乗っている。アフリカ勤務時代には4人乗りのセスナ機での取材も何回か経験した。だから慣れっこにはなっているが、飛行機にはできれば乗りたくない。新幹線や長距離バスの方がいいに決まっている。台湾へも釜山のようなフェリー便があれば、船便を利用するのにとさえ思う。
揺れるのが怖いのと機中のほぼ2時間の時間を持て余し、やることがないので、いつもバッグにしのばせている「中日・日中辞典」で時間をつぶした。もう何度も頁を繰っているこの辞典に私は大いなる「恩義」を感じているが、不思議とこの機中での時間は期待以上の有意義なひとときとなった。今も嬉しく思っているので、私にとって備忘録でもあるこのブログに若干記しておきたい。
「解決」という語。中国語の漢字は少し異なるが、私のパソコンではその違いをタイプできないので割愛。ピンイン表記だとjiějuéとなる。[ジェジュエ]という音の響きに近いが、[かいけつ]からは程遠い。私はこの語の発音をすでに何度辞書で調べたか分からない。辞書を閉じると直後にはもう忘れている。しかし、機中で改めて辞書を眺めていて、「解」のすぐ上に「姐」という同じピンインの語があるのに気づいた。「姉」という意味だ。これはもう何度も何度も耳にし、口にもしている。「あ、なんだ、同じ発音の語か」と今更ながら気づいた。「よし、今度という今度は分かったぞ。おそかりし由良之助とはしまい!」
「不难想像」。中国語を学んでいなくとも、日本人には意味合いが何となく想像がつく表現かもしれない。ピンイン表記だとbùnán xiǎngxiàng。私の辞書には「容易に想像できる」とある。格調高く言うと「想像するに難くない」となるか。私はいつも「难」という語の発音に難儀しているが、辞書を改めて眺めていて、「男」も「南」も同じピンイン表記であることに初めて気づいた。「なんだ、そういうことかいな!」。「老若男女」は中国語では順番が逆転して「男女老若」。ただし「老若」とは言わず、「老少」となり、合わせて「男女老少」。ピンイン表記だとnánnǚ lǎoshào。
以上のような語彙、表現の類を辞書を繰りながら脳裏になんとか叩き込もうとしていたら、揺れの怖さを瞬間的に忘れてもいた。ほどなく福岡空港に降り立った。
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