- 2019-06-24 (Mon) 17:22
- 総合
中国語。最近改めて気づいたこと。「車の運転には気をつけねばなりません」という文章。中国語では「开车要小心」となる。大雑把に「直訳」すると、「車を運転する、必要がある、気をつける」。私はこうした中国語の文章を「ぶつ切り文」と勝手に読んでいる。中国語を話す際には文法をあまり気にせずに、頭に浮かんだ語句を「ぶつ切り」で口にしても通用するケースが多いのではないかという命名だ。そうではないことも多々あるにはあるが。
日本語では助詞を上手に「操って」文章を作らねばならない。上記の文章では「~には」という助詞が添えられ、自然な流れの文章になっている。中国語のように「車を運転する、気をつけねばなりません」と言ってもその意は伝わると思うが。英語だと “You drive a car, be careful.” ではちょっと舌足らずか。やはり、“When you drive a car, be careful.” あるいは単に “When you drive, be careful.” などという文章の方が自然だろう。文頭にwhen という接続詞を置き、また you という主語がないとどうもしっくりこない感じだ。
上記の文章では日英中ともにそれぞれ独自性があり、何らかの類似点を見いだすのは難解だが、次の語彙では中英両言語が似ていると感じた。
「教える」という語。中国語(日→中)の辞書を繰っていて、「教」という語が出てきた。日本語と同じだ。「教英语」ならば「英語を教える」。ところが「時刻を教える」の訳文では「告诉时刻」となっていた。「教时刻」ではない。「告诉」は一見ものものしいが、中国語では「告げる、知らせる」という意味の日常よく使われる語だ。英語なら tell 。英語でも「英語を教える」は teach English だが、「時刻を教える」といった表現では teachではなく、tellが使われる。「時間を教えてくれませんか?」ならば、“Can you tell me the time?” と尋ねるのが自然な文章。英語と中国語がここでは似ていると思った次第だ。
「博多駅にどう行くか教えてください」という英文を書かせると、“Please teach me the way to Hakata station.” と書く学生が結構いる。ここではteach ではなく tellだ。日本語では「教える」は使い勝手のいい語だが、英中両言語ではそうはいかない。
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サッカーの女子ワールドカップ(W杯)フランス大会。欧米各国のチームの選手たちを見ると、体幹が実に逞しいようだ。なでしこジャパンの次のゲームは負けたら終わりの決勝トーナメント1回戦で、強豪オランダが相手。彼女たちには荷が重いように思えてならない。
プロ野球の試合を見ていて、ここ数年、気になる実況アナの言葉がある。例えば、AチームとBチームが対戦していて、初回にAが先取点を挙げたものの、その後は沈黙し、5回表を終わって5対1とBにリードされているようなケース。5回裏にAは2死満塁の好機をつかんだが、期待の打者が三振に倒れ、無得点に終わる。実況のアナは「Aは追加点とはなりませんでした」と語っている。追加点はあくまでリードしているチームに該当する加点であり、負けているチームには当てはまらないだろう。
昨日の試合では零対零の緊迫したゲームで延長10回表にようやく先攻のAチームが点を入れると、「Aが遂に先制点を挙げました」と叫んでいたが、延長戦に突入しての得点はたとえそれが初得点でも「先制点」と呼ぶ気には私はなれない。