- 2019-06-21 (Fri) 12:43
- 総合
トランプ米大統領が2020年の大統領選に再選を目指し、出馬することを正式に表明した。大統領が掲げた新たな選挙スローガンの日本語の訳語に若干気になる表現があった。
トランプ氏の新しい決め台詞は “Keep America Great” 。読売新聞では「米国を偉大なままに」と訳していた。私は違和感を覚えた。正直、ちょっと違うかなあ。もちろんそういう意味だが、大統領の選挙スローガンとしては表現が「柔らか過ぎる」のでは。私がデスクだったら確実に手を入れる。例えば「米国の偉大さを堅持」などに。
NHKテレビでは何と表現するだろうとその夜の7時のニュースを見ると、「アメリカをこれからも偉大に」と報じていた。こちらの方が「偉大なままに」よりもずっと良いように思える。ネットで朝日新聞を読むと、こちらも「米国を偉大なままに」と訳していた。おそらく共同通信が「偉大なままに」と訳したのだろう。読売も朝日も共同を参考に同じ訳語を選択したものと推察される。
今のところ、米国内の世論調査で民主党の複数の有力候補の支持率がトランプ氏のそれを上回っているとの報道も流れているが、予断は許さない。傲岸不遜がスーツを着ているとしか思えない人物が再選されることを念頭に心の準備をしておいた方がいいかもしれない。
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昨年秋からお世話になっている公民館の中国語講座。中国語のネイティブスピーカーが講師(老师/老師)だから、初学者の私には大いに役立っている。
先日の講座で「断捨離」が話題になった。私の電子広辞苑にはこの語は記載されていないから、比較的新しい語彙であることが分かる。ネットで調べると、この語彙を創作したのは日本人で、今では中国でもこの語とともに「片付け」がブームだとか。「断捨離」は中国語では「断舍离」。乱暴にカタカナ表記すると、「ドゥアンショォウリー」か。
講座では、断捨離の極意は手(目)にした時に「心がときめかない」ものは捨てることが肝要とかの話になった。そしてこれは英語では何と言うのかと。
とっさに英語表現が頭に浮かばなかったのが悔しかった。というのは大学で英語を教えていた時にこの断捨離を扱ったことがあるからだ。その時に学生たちに「心がときめく」という表現の説明もした記憶がかすかに残っている。嗚呼、情けない!
ブログをさかのぼると、2017年の4月に次のように記している。———— 現代はいかに身辺を「身軽」にするかが大切な時代のように思える。二年ほど前になるだろうか、米誌タイム(電子版)が恒例の「世界で最も影響力のある100人」の一人に日本人の「片付けコンサルタント」の女性を選んだことが話題になった。そういう職業があること自体が驚きだったが、ネットで読んだ英文の記事の中で「片付ける」という表現として declutter という動詞が使われていた。普通は tidy up という表現が頭に浮かぶが、こういう言葉があるのを初めて知った。————
改めて調べると、断捨離の実践、すなわち片付け上手になるためには、そのものを手にしたときに、それが今も暮らしに役立っているか、心をときめかせる(spark joy)ことがない限り、潔く処分することが求められていた。そうだった。“spark joy” だった。
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