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"A choke artist" とは!

  • 2016-02-26 (Fri) 13:47
  • 総合

20160229-1456714347.jpg 新しいメガネを手にした。さすがによく見える。遠くの人の表情もよく分かる。メガネ店からの帰途、歩道橋の階段を上がっていて、右下の道路脇にある回転寿司店のベルトコンベヤーが見えた。見るともなく目をやると、ベルトコンベヤーのお皿に乗っている寿司まではっきりと見えた(気がする)。これまでは考えられなかったことだ。見え過ぎると困惑することもあるかもしれないが、差し引きしてもプラスが圧倒的だろう。博物館・美術館などを訪れた時、近づけないところに書かれた説明文が読めずに困ることがしばしばだが、これからはそう苦労することもなくなるのではと思っている。다행 이다タヘン イダ(良かった)。
 アメリカの旅以来、使っていたナップザック(knapsack:今風の表現ではbackpackか)がちょっと頼りなくなったので、これも新しいものにした。これまで愛用してきたのは海外の旅を繰り返していた時に居候させてもらっていた先輩にもらった有難いものだった。先輩に改めて感謝して、新品に買い換えた。名刺も作った。イギリスの旅を終えて以来、名刺なしの暮らしだった。新しい出会いがあるたびに、名刺がないことを詫びてきた。今の暮らしではそう不便ではないが、旅先ではまた別の話。肩書きを離れた日々は気楽だが、再び名刺を手にした気分も悪くない。俗物の証であるとしたら、情けないことだが・・・。
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 米大統領選の候補者選び。政権奪回を目指す共和党は依然、傲慢な(失礼!)大富豪、ドナルド・トランプ氏の旋風が吹きまくっている。CNNのホームページで読んだコメンテーターのコメントでは「選考レースは事実上終了した。トランプ氏で決まりだ」と断じたものもあった。直後には “A vote for Trump is a vote for bigotry”(トランプに投票することは偏狭さを支持することに他ならない)という論評も出ている。その論評には彼の代表的発言が紹介されていた。“When Mexico sends its people, they’re not sending their best … They’re bringing drugs. They’re bringing crime. They’re rapists. And some, I assume, are good people.” メキシコからの不法移民に悩まされている米南西部の市民にとっては小気味のいい発言だろうが、やはり大衆迎合の臭いがふんぷんとする。
 金曜日の朝、少しだけ見た米CNNテレビの共和党候補者討論でもトランプ氏は他候補の集中砲火を浴びていたが、彼はたじろぐことなく応じていた。たじろぐどころか、目下のライバルであるマルコ・ルビオ氏に “choke artist”、テッド・クルーズ氏に“liar”(嘘つき)と普通は考えられない嘲りの言葉を浴びせ、両候補者を激怒させていた。“choke artist”は少し説明が必要だろう。「ここ一番で必ずしくじる名人」。昔だったら、決闘(duel)を申し込まれても致し方ないほどの侮蔑のレッテルだろう。
 ドナルド氏は見ていて「楽しい」エンターテイナーだ。「歯に衣着せぬ」(not mince one’s words)という表現がぴったり。それでも、彼を見ていると、やはりどこか嘘っぽいのを感じざるを得ない。国際交渉や安全保障問題などの討論を聞いているとそうした印象が顕著となる。具体的な政策の面で説得力のあるものが出てこない。彼のそうした「嘘っぽさ」がこれから米メディアによって暴かれていくのだろう。そうならなかったら、この夏、我々は彼のあの乱暴な「毒舌」をますます耳にすることになる。

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