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里帰り

  • 2013-03-13 (Wed) 12:15
  • 総合

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 久しぶりに宮崎の郷里に「里帰り」した。12月中旬の夜神楽以来だったから、3か月ぶりだった。目的は色々あったが、その一つは毎朝食している干し椎茸が底を尽きつつあったので、椎茸農家の長姉の家を訪ねて補給することだった。私の健康の礎となっているのは毎朝味噌汁に入れて食している椎茸だと思っている。亡きお袋に諭されて食べ始めたのがいつからだったか覚えていないが、気が付いたら、干し椎茸で味噌汁を作って食べることが一日の始まりとなっていた。
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 アメリカや英国の旅でも折を見て食べようと干し椎茸の袋を一つ、スーツケースの奥に潜ませていたが、さすがに利用する機会は残念ながら一度もなかった。味噌まではしのばせることができなかったからだ。私に料理の才があったなら、きっと、干し椎茸を使った料理でもしてお世話になった人を喜ばせてあげられただろうにと思う。せいぜいできたことは、現地の日本食品店で蕎麦と麺つゆを買い、ざる蕎麦を何度か作ってあげたことぐらいだ。それもゆで過ぎてあまり上出来とは言えなかったが、皆さん、これは美味いと少しばかり感激していただいた。
 私の郷里は西都市の山奥にある銀鏡(しろみ)という地で、長姉の家はその銀鏡の中でもさらに山奥にある。子供の頃は細い山道を延々と歩いて訪ねたものだ。今は玄関先まで車で乗り付けることができる。
 今回は妹の車で訪れた。一人で帰郷する時は、たまに人吉インターで高速バスを降り、そこからレンタカーで熊本県境を超え西米良経由で故郷に向かうこともある。行き交う車も少なく、普段ハンドルを握らない身には快適なドライブが楽しめる。
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 南大隅町の稲尾岳に登った直後だけに標高が気になった。義兄の家でどれぐらいの標高があるのか分からない。600㍍もあるのか。庭から周囲の山々を望む。小学生の時、遠足で上った烏帽子岳(えぼしだけ)が見える。あそこは標高1126㍍。近く山開きがあるという。山頂からは遠く宮崎市内や日向灘の海も見えるようだ。かすかにそんなものを見た記憶が残っている。よし、今年は登ってみよう。
 夕食時には義兄がいつものように猪肉を炭火で焼いてくれた。山の幸は猪肉に尽きるのではないかとさえ思う。餅が大好きなので、姉が餅をついてくれた。姉の家では杵でつくから、ことのほか美味い。子供の時は餅がそんなに美味いとは思わなかったが、今では大好物だ。焼いた餅に醤油をかけて食べるのも美味いが、塩をまぶしてお茶をかけて食べるのもいい。最後に飲み干すお茶の味が何とも言えない。
 長姉の家に着いた時、丁度、椎茸の乾燥作業が終わったばかりだった。あの匂いが好きだ。香水にならないものかと思ったりする。翌朝には生椎茸を大量に取ってくれた。これを福岡に持って帰り、オーブンで焼いて、焼酎の肴にする。贅沢な肴だ。昨晩もそうした。焼酎を少し飲み過ぎた。今晩も楽しみだ。
 「命の洗濯」という表現があるが、長姉の家を訪ねるのは私には確かにそんな感じの年中行事だ。
 (写真は上から、杵で餅をつく。取れたての椎茸はこんな感じ。烏帽子岳はほぼ中央に小さく見える山。頂上はそれでも1126㍍)

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