- 2024-06-14 (Fri) 10:45
- 総合
米大統領選。11月5日投票の本戦まではまだ間があるが、YouTubeをのぞくと、バイデン大統領の民主党と、トランプ氏を擁立する共和党のつばぜり合いが次第に熱を帯びつつあるようだ。両者ともに党の大統領候補者として決定したわけではないが、二人が本戦で相まみえることは実質上間違いないのだろう。
米国の政治。何度かこのブログで書いたかと思うが、またあのトランプ氏が大統領選の有力候補ともてはやされていようとは信じ難い。悪夢のような米国政治の流れだ。なぜ、前回大統領選後の2021年1月に首都ワシントンを騒乱状態に陥れた張本人のトランプ氏が、また不倫の口止め料を隠すために業務記録を改ざんした罪で有罪評決を受けた人物が大統領に再び選ばれる可能性さえあるとは。法的な問題はよく分からないが、もっと分からないのは誰が見ても米国にとっても、そして世界にとっても好ましからざるとしか思えないトランプ氏を一定数支持する米国民が存在し続けるという現実だ。
これまで米国内の世論調査では再選を狙う民主党のバイデン大統領を終始、共和党のトランプ氏がリードしていたように思えるが、最近では先述した有罪評決が影響したのか、バイデン氏がわずかながら逆転したとの調査も出始めている。YouTubeを見ると、なぜか分からないが、トランプ氏に遂に見切りをつけたという米有権者、それも共和党に近い人々の声が次々に流れてくる。例えば、「私はこれまで一貫して共和党支持者だった。2016年も2020年もトランプ氏に投票した。しかし、今回はバイデン氏に投票する。この国の憲法をないがしろにし、民主主義の根幹を否定するトランプ氏をこれ以上容認することは絶対にできない」という男性有権者の声など代表的なものだろう。
こうしたYouTubeを見ていると、11月の大統領選でバイデン大統領がトランプ氏を再び破るのではないかという期待さえ抱かせる。さて、どうだろうか。YouTubeは視聴者の趣向に沿って流れてくるとも聞く。トランプ氏を好ましく思っている視聴者のパソコン上のYouTubeではバイデン氏を罵倒する番組が流れているのだろうかしら。
バイデン大統領は今月7日、第2次大戦の激戦地、ノルマンディー上陸作戦のフランス北西部のオック岬を訪れ、米国民を念頭に演説している。多くの米兵がドイツ軍を撃退する際に命を落としたことに触れ、米兵の無私の犠牲があってこそ今の自由や民主主義があるのであり、我々もいかなる侵略に断固として戦う責務があると訴えた。名指しこそしなかったものの、ロシアのウクライナ侵攻に対し、米国のウクライナ支援継続に否定的なトランプ氏を糾弾する意向が色濃くにじんでいた。
一方のトランプ氏は自身に近い保守的なテレビ番組でつい先日、「中国であれ、ロシアであれ、ホワイトハウスに賢明な大統領を据えれば、問題は簡単に解決できるのだ。だが、米国内に存在する内なる敵こそ米国にダメージを与えている」と述べ、バイデン政権や民主党陣営をなじった。傲岸不遜とはトランプ氏のためにある言葉なのか。とにもかくにもこの秋にはバイデン大統領が再選されることを願うが、大統領は御年81歳。米国民でなくとも健康状態が気がかり。共和党は今後、バイデン氏の高齢問題を改めて責め立てるだろうが、トランプ氏にしても14日にめぐってきた誕生日で78歳となっている。