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松茸ご飯

  • 2014-10-03 (Fri) 14:07
  • 総合

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 また大きな台風が九州に近づいている。気象情報を伝えるネットの衛星画像を見ながら、いつものように台風の中心に向い、”Get lost !”(消え失せろ!)と叫んでいる。台風が週末にかけ、予想される進路のできるだけ東側のコースを進むことを祈る。
 さて、台風は全然ありがたくないが、「食欲の秋」(autumn, a season for strong appetites)の到来は大歓迎。酒(焼酎)の美味い秋でもある(とこれは勝手に解釈)。郷土の歌人、若山牧水は詠んでいる。「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけり」
 悲しいかな、全く同感。私はほとんど毎晩、一人静かに焼酎のグラスを傾けている。国民歌人として親しまれ、酒豪としても知られた「酒仙の歌人」のように創作の才がないのは甚だ残念ではあるが。牧水の歌で私が好きなもう一つの歌は「幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく」という一首だ。この歌に「啓発」され、私は随分昔に「寂しさに耐え抜いてこそ優しさか 我一人旅したくなけれど」という駄作をこねたことを覚えている。
 「食欲の秋」に戻ろう。釜石(岩手県)の知己Sさんからまた嬉しいものが届いた。今度は松茸だ。以前には松茸を日本酒につけたものを頂いたが、今度のは松茸採りの名人、Sさんが三陸の山で採ったばかりの松茸だ。クール宅急便で届いた小箱を開けると、立派な松茸が2本入っていた。おお、よく来たね、いらっしゃい!
 そこではたと気づいた。私は調理方法を知らない。椎茸なら味噌汁に入れて普段から食べているが、松茸はそうはいかないだろう。Sさんに電話をかけたら、奥様が電話に出て、丁寧に調理方法を教えて頂いた。日本酒を垂らして、電子レンジで簡単にチンするだけで、おいしく頂けるとの由。私は毎晩焼酎を飲むが、日本酒を飲むことは皆無に近い。コンビニで日本酒の小瓶をすぐに買い求め、教えられた通りにやってみた。さすがに美味かった。日本酒の残りと焼酎をなめながら、ありがたく頂いた。
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 Sさんが送ってくれた松茸は2本。残る1本をどうしようか。あ、そうだ、松茸ご飯という手があるなと思いついた。Sさんの奥様をまた煩わせることもしたくないので、ネットで検索してみると、簡単な作り方が出てきた。お、これなら私にもできるぞ。必要なのは、昆布と日本酒、味醂、塩。松茸を小さく切り分け、上記の調味料を入れて、炊飯器で普通にご飯を炊くようにすればいいと記してある。昆布をスーパーから買ってきて、初めての松茸ご飯に挑戦した。
 ご飯の量が多過ぎたのか、松茸が少な過ぎたのか、期待していたようなものとはならなかったが、炊き上がったご飯からはそれでも十分松茸の香りはする。よし、今宵はサンマでも焼いて、晩飯としようではないか。私の人生はこれで十分幸福だ。

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