- 2023-11-26 (Sun) 08:23
- 総合
図書館から借りていた『日本語と中国語』(劉徳有著)をようやく読み終えた。大変読みやすい本だったのだが、思い出したように時々走り読みしていたので時間がかかった。印象に残ったことは多々あるが、一つだけ記しておきたい。日本語の曖昧さについての指摘だ。
――外国人から見て、日本語があいまいとされる理由のひとつに、主語や代名詞の省略がある。対して、中国人は会話もそうなのだが、特に文章を書くとき、誰それと主語をはっきりさせる。そんなわけで、中国人の書いた文章には「わたしは」、「われわれは」、「あなた」、「あなた方」、「彼」、「彼ら」という言葉がやたらと多い。(中略)『時の流れに身をまかせ』(中国語では『我只在乎你』)と言えば、いまもカラオケの定番ソングになっている故テレサ・テン(中国語の芸名は鄧麗君)の大ヒット曲だが、この名曲の歌詞も日本語バージョンと中国語バージョンとでは代名詞の使われ方に違いがある。日本語の歌詞では「だから お願い そばに 置いてね」となっている箇所が、中国語では「所以我求求你 别讓我離開你」(だからわたし、あなたにお願い、わたしをあなたから離さないようにして)となり、この短いフレーズに「我」「你」の代名詞が各二回も出てくるのだ。――
日本語は確かに主語や代名詞を明示しなくとも理解の妨げとはならないが、中国語や英語はそうはいかない。ただその分、二人称(你やyou)が広範に使用可で楽とも言える。日本語や韓国語では初対面の人に何と呼びかけていいものか、身もだえすることになる。
◇
笑い話を一つ。数日前のこと。遠方からかつての職場の同僚(後輩)が訪ねてきた。たまたま学生時代の先輩と久しぶりに歓談する予定が入っていたので、2人は面識がないが、3人で拙宅で軽く一杯やることにした。先輩は気の置けない人なので問題なかろうと。
さてそれで何を食べるか。酒の肴の刺身は当然としても、その後のものは? この冬(秋)はまだ鍋をやっていないと思い、先輩に鍋でもつつきましょうかと提案した。いいね、それ。私は野菜を買ってきますから、具材をお願いできますか? よし、了解! 同僚や先輩に寝てもらう布団や毛布を二日間ベランダで干し、トイレや風呂場も掃除して準備万端。仕事を終えて帰宅し、テーブルに刺身や小鉢、乾き物などを並べ、鍋の用意も済ませ、二人を待った。先輩が先に来宅。シャワーを浴びてもらい、さっぱりした顔つきの先輩に三人がそろう前にとりあえず、鍋に火だけでも通しておきましょうかと言った。ああ、そうしよう。それで先輩の方がずっと料理上手だから、野菜や具材を放りこんでもらえますか? オッケー。
それで先輩、肝心の具材はどこに? ああ、具材ね。先輩は隅っこに置いていたバッグを拾い上げ、中から、素麺をひと束手渡した。え、これだけですか?
先輩は具材は締めの素麺程度のものでいいのだと勘違いされていたみたいだ・・・! とにもかくにもほどなく3人がそろい、楽しく歓談できた。遅れてやってきた友は缶ビールを1パック持参してきた。彼が2缶を飲み、今冷蔵庫に残り4缶が入っている。私はビール大好き。だが何か一つでも「禁酒」しようともう何年もビールは特別な場以外では口にしていない。神様、友が残した4缶ぐらいは私がこれから飲んでもいいでしょうかしら?と自問している・・・。
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