- 2023-11-14 (Tue) 16:06
- 総合
最近パソコンでYouTubeをクリックすると、料理関連の「番組」がアップされるようになった。その一つに管理栄養士(女性)のYouTubeがある。なぜ彼女のものが上がるようになったのか分からない。面白そうなので何気なく眺めていたら、柿を取り扱ったものがあった。柿が滋養ある果物であることを説き、「焼き柿」の作り方を紹介していた。私でもできそうな簡単さ。柿を水洗いして蔕(へた)を切り落とし、ガスコンロで9分ほど焼くだけの代物。
私は以前は柿は好物ではなかった。子供の頃は田舎でよく食べていて、手を伸ばせばそこらに柿が実っていたような。珍しくも何ともない秋の味覚だったから、特別の思いはなかった。今は違う。八百屋さんに柿があるとつい買って食べたくなる。だが、柿を焼いて食べることなど思いもしなかった。私の田舎でそういう食し方を実践している農家などなかったのではないかと思う。郷里を同じくするライン友達の一学年上のYさんにメールしてみると、彼女は子供の頃、曾祖父が囲炉裏で焼いて食べさせてくれていたと返信があった。残念ながら私にはそういうメルヘンチックな思い出はない。もしあったら私の人生も変わっていたのではないかと思ってしまった!
今回上記のYouTubeで初めて知ったことだが、柿はビタミンCやタンニン、カロテンなど豊富な栄養素を含んでおり、焼くことでそうした栄養素が飛躍的に増えるとか。私は帯状疱疹の後遺症で苦しんでいるが、免疫力の向上にも役立つようだ。焼かない手はない。早速焼いてみた。バターとシナモンを上に乗せて食すると、柿とは思えない美味さ! 病み付きになりそうだから、1日1個と決めた。
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中国語を使った俳句と呼べる「漢俳」について説明した『漢俳 五・七・五の中国国民詩』(今田述著)を読んでいるが、中国語の俳句はさすがにちょっと難解で、すらすらと読み進めるわけにはいかず手こずっている。その本の中に劉徳有氏(1931-)のことが紹介されていた。何でも日中文化交流に多大な貢献をした日本語通訳で新華社通信の主席記者の要職にあった人物。彼の著書『日本語と中国語』(2006年)も紹介されていた。図書館で早速借りて読んでみた。
酒にまつわる記述が印象に残っている。私は「下戸」という語は知っていたが、その対極にある「上戸」は知らなかった。現代中国では「上戸」の代わりに酒飲みを5段階のランクに分けているとか。酒量の下から「酒徒」(飲んべえ)「酒鬼」(飲んだくれ)があり、これより上は日中同じ呼称の「酒豪」「酒仙」「酒聖」が続く。私の「中日辞書」には最後の三つは載っていない。「酒徒」と「酒鬼」は掲載されている。「酒仙や「酒聖」にはなるべくもないが、せめて自分の酒量を心得た「酒徒」ではいたいものだ。
「下戸」が現代中国語に残っているかは知らない。少なくとも私の日中辞書にはこの語はなく「不会喝酒的人」(酒を飲むことができない人)という訳語が載っている。今となっては酒が飲めることを嬉しく思うが、若い時分に下戸だったらおそらく今とは異なる人生を歩んでいただろうとも思う。こちらは複雑な心境・・・。
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