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米中間選挙

  • 2022-11-11 (Fri) 19:28
  • 総合

 語順の大切さについてまた一言。中国語は英語以上に語順が非常に大切な言語であると再三書いてきているかと思う。語学書を読めばそう書いてあるし、学習していると確かにそう感じる。日本語との根本的違いだ。だが、再三このブログで述べているように、中国語においても日本語に通じる柔軟さを感じることがある。最近ではNHKラジオの中国語講座で次のような例文を見た。「我表达的你可能没太听明白。」。訳文としては「僕の言っていることがあまりわからなかったんじゃないかと」と載っていた。英文に訳すと、“(I’m afraid that) You didn’t understand what I said very well.”といった文章が頭に浮かぶ。
 英語ではSVOの構文に沿って、「僕の言っていること」が文末近くに出てくる。中国語では日本語のように文頭に出ている。このような日本語に「酷似」の言い回しに接すると、私は凄く気分が楽になる。すべからくこうは行かないだろうが、日本語に近いこうした言い回しの文章を身につけていけば、中国語の達人とまでは行かなくとも、それなりの話者ぐらいにはなれるのではないかと。Not excellent but good enough. 私にはそれで十分だ。
                  ◇
20221111-1668162482.jpg 米国の中間選挙に内外の熱い視線が注がれている。私も国政以上の関心をもって推移を見つめている。理由は言わずもがな、トランプ氏が「消滅」するきっかけとなって欲しいからだ。この項をアップしている金曜日午後の時点ではどうもそうはならないようだ。ただ、彼が今回の中間選挙で影響力、力をさらに増すことにならなかったことは幸いだ。
 私が時々読んでいるニューヨーカー誌のベテラン記者、スーザン・グラッサー氏はこの選挙を自身のコラムで総括していたが、その見出しだけで意図は伝わっていた。On Donald Trump and the Democrats’ Not-So-awful Election(ドナルド・トランプと民主党のそれほど酷くはなかった選挙)。そで見出しは If not for the former President, the midterms could have turned out very differently.(トランプ前大統領がいなかったならば、中間選挙は非常に異なったものとなっていた可能性あり)とうたっていた。
 確かにバイデン大統領や与党民主党が恐れていた共和党各候補が下院、上院を圧倒的に飲み込む最悪の事態は回避できたものの、下院は共和党の多数派の手に渡ることは確実な情勢。上院は最終的にはジョージア州での来月の再投票の結果を待つことになるのか。グラッサー氏は次のようにコラムを締め括っている。But there was no knockout punch that would finally prove the folly of the Republicans’ Trumpian turn. Which means that democracy, as Biden would put it, is still very much on the line. 米国の民主主義は依然、危険水域から脱却していないとの由。
 私は米議会下院で継続中の議会襲撃事件の審議を通してトランプ氏が刑事訴追され、やがて牢獄に収監されることを期待していたが、それどころか、彼は間もなく2024年の大統領選への出馬宣言をすると報じられている。武装した狂気の支持者をあおり立て、米議会を襲撃させ、多数の死傷者が出た流血の事態を招いた張本人が何ら責任を問われることなく、再び選挙に打って出ることができる国。それが今のアメリカ合衆国か。アフリカでは数々の権力の腐敗・堕落を見てきたが、まさか21世紀のアメリカでそれを見ようとは!

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