- 2022-11-08 (Tue) 08:34
- 総合
週1で英語を教えている専門学校では句動詞(phrasal verbs)の大切さを教えることが多くなっている。句動詞は動詞+前置詞あるいは動詞+副詞といった熟語的な表現だ。句動詞と意識せずとも、我々は英語を話す時にget up(起床する)や find out(発見する、気づく)などとさまざまな句動詞を駆使している。難解な語を学ぶことも大切だが、平易ながら役立つ句動詞を数多く身に付けることが英語力をアップさせる好手だろう。
最近の例で言えば、「彼は株式投資で失敗した。それで無一文になった」という文章の後半のくだりを “Due to that he lost his shirt.” などと表現できることを説いた。“lose one’s shirt”で「無一文になる」という意味になる。授業の後でshirt という語が改めて気になった。はて昔、似たような表現をどこかで耳にしたような・・。
「500マイル」(Five Hundred Miles)という歌だ。If you miss the train I’m on/You will know that I am gone/ で始まる名曲。私は学生時代にギターでこの曲をものにしようともがいたことを覚えている。その中に次の一節があった。Not a shirt on my back/Not a penny to my name/Lord, I can’t go back home this a way/ なるほど歌い手は無一文の身になったのか。しかし、よくよく考えると、Not a shirt on my back そして Not a penny to my name と同じ意味の表現が繰り返されているのはなぜ? どうせならNot a penny to my name のくだりではもう一つ別のことを表現してもいいのではと思えなくもない。限られた言葉しか歌い込められないのだから。ひょっとしたら、後半は別の意味があるのだろうか。アメリカ人の友人に尋ねたら、同じ意味だとの由。深読みする必要はないようだ。
いずれにしろ、哀愁漂う歌だ。懐かしい故郷に帰ることもままならない心境が淡々と歌われている。私も近年は似たような胸中だ。YouTubeで何度か「500マイル」を聴いていて、なぜか唱歌「旅愁」を思い起こした。こちらは昔から胸に迫るものがある。まさに今の季節に聴きたい歌だ。♪♪ふけゆく秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとり悩む 恋しやふるさと なつかし父母 夢路にたどるは さとの家路♪♪
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「旅の空」。私自身は多くの人々同様、コロナ禍でずっと遠ざかっている。過去のブログをスクロールしてみると、2019年7月18日に「再び台北に」というタイトルのものがあった。そうか「巣籠もり」して3年4か月経つのか。先週は5回目のワクチン接種を受けた。YouTubeをのぞくと、台湾の旅を紹介したチャンネルが雨後の筍のように激増している。台湾当局の規制が大幅に緩和されているようだ。新しい仕事に着手したため、平時は身動きが取れなくなった私は当分、行きたくてもいけない。
中国語の力は3年前よりもついているかと思うが、あまり自信はない。この次に台北を訪れたとして、よく利用していた安ホテルにいきなり行き、顔は今も覚えているフロントのスタッフに「你好。好久不见了。有空房间吗?」(こんにちは。久しぶりです。空いている部屋ありますか?)と声をかけたら、どんな反応が返ってくるだろうか。おばちゃんたちの反応が楽しみだ。それまでに中国語に磨きをかけよう。とはいえ、正直に書くと、最近は中国語より韓国語の学習の方が楽しくなりつつある・・・。
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