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両親も他们(彼ら)

  • 2022-08-22 (Mon) 11:13
  • 総合

20220822-1661134341.jpg 次に引き受けようとしている仕事の関連で大学の卒業証明書及び教員免許状の写しが必要になった。もちろん、そんなものを私は手元に持っていない。教員免許状は実際に手にしたことがあったのだろうか。卒業後、教職ではなく、記者職を選択したので、手にしたことはないのではないかと思う。
 ともかく母校の大学と県教委に問い合わせの電話をかけた。二つとも再発行可能ということが分かった。非常勤講師としてこれまで教えた大学などから卒業証明書や教員免許状を求められたことはなかった。せいぜい、免許状の番号記載ぐらいだろうか。
 卒業証明書はさすがに時間がかかるとの由。もう大昔のことだ。致し方ない。私が留年3年を経て何とか卒業したのは昭和54年(1979)。まさかほぼ半世紀後に証明書が必要になるだろうとは思いもしなかった。当時は宮崎から東京に出て、新聞社に勤務することになり、無我夢中の日々だったのだろう。さて教員免許状は数日後に届いた。「中学校教諭一級普通免許状」と「高等学校教諭二級普通免許状」。宮崎県教委の大きな朱印が鮮やかだ。基礎資格の項に「学士の学位を有する」と記されている。真っ先に頭に浮かんだのは私の亡き両親はこの資格を私に授けるべく、兄姉の多い大家族の中、大学に送り出したのだろうという思いだった。教師になれという願いに背いて上京、不肖の息子、ここにありか。
                  ◇
 NHKラジオの「まいにち中国語」講座で次のやり取りが紹介されていた。
 A:这些蔬菜,水果是我父母从老家寄过来的,送你一些吧。
(これらの野菜と果物は私の両 親がふるさとから送ってくれたものです。少しですが、どうぞ)
 B:这么新鲜! 太谢谢了! 请代我谢谢他们。
(すごく新鮮ですね。ありがとう。ご両親によろしくおっしゃってください)
 こういう会話に遭遇して思うのは、日本語と中国語の差だ。日本人が友人の両親に感謝する場合には日本語訳にあるように「ご両親に・・」と丁寧な物言いとなるだろう。中国語では「ご両親」を「他们」、日本語訳だと「彼ら」と表現。英語でも “Please say thank you to them.” と「ご両親」を「them」で受けるのに酷似している。英中両言語の近さ!
 これに比すれば、韓国語でも「부모님께」と忠実に直訳すれば「ご両親様に」と丁重な物言いが普通であり、日韓の距離の近さが際立つ。参考までに付記すれば、Aの会話の中にある「寄过来」(送って来る)は我々日本人には難物に思える。「寄来」だけだったらまだしも、真ん中に「过」がはさまれている。「境界を越える」という意の「过」だ。中国語ではこうした「方向補語」と呼ばれる場所を示す言葉が豊富。「彼は東京に帰って来た」ならば「他回东京来了」であって「他回来东京了」ではないというのも悩ましい。方向補語を含んだ動詞では目的語が間にはさむのがルール。覚えたつもりでもすぐに忘れてしまう。
                  ◇
 次の仕事のため、健康診断を余儀なくされた。血糖値の数値におののいた。これも神様の警告か。生活習慣を再度見直すことを決意した。

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