- 2022-08-15 (Mon) 17:10
- 総合
メディアで内外の著名人の訃報が伝えられると、その都度さまざまな思いにふけることを余儀なくされる。歌手のオリビア・ニュートンジョン氏が先週、米カリフォルニア州で死去したと報じられた。享年73。読売新聞は彼女の死を伝えた訃報記事の冒頭を「『そよ風の誘惑』『フィジカル』など世界的なヒット曲で知られる・・・」と記していた。彼女の代表曲と言えば私の脳裏に浮かぶのは確かに「そよ風の誘惑」の甘い歌声だ。初めて耳にした時から好きになり、カラオケでも幾度となく挑戦したが、上手く歌えた記憶はない。
英語の曲名は曲中に何度も出てくる “Have you never been mellow”。カラオケにはもう何年も行っていないが、この次に機会があったら、歌ってみようかしら、例によって少々音程を外しながら。
報道によると、彼女は英国に生まれ、5歳の時に家族と一緒にオーストラリアに移住。1960年代半ばに歌手デビューし、数々のヒット曲を出した。女優としても才覚を発揮し、ミュージカル映画「グリース」や「ザナドゥ」で人気を博した。40代で乳がんを患い、がんの早期発見の重要性を訴える啓発活動に取り組んできたことでも知られている。
ジャパン・ニュース紙はAFP-Jiji電で彼女の死去を報じていたが、記事は次の一節で締め括られていた。Her philanthropy and passion for cancer research came to the forefront, championing natural therapies including medicinal cannabis in the treatment of cancer. "I have done everything, and the icing on the cake as well," she said, reflecting on her career. "So I feel grateful for anything that happens now."
このような悟りの境地で最期を迎えることが出来る人は素晴らしいと思う。私もそうありたいと願う。ところで、the icing on the cakeという表現が上記の場面で出てきたことには?も浮かんだ。人生の後半に「有終の美を飾った」ことでもあるしと、彼女ならではのユーモアが込められた表現であると理解したい。
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NHKラジオの英語講座の中で次の文章が流れていた。“What did you have for breakfast this morning?” という問いかけにネイティブ話者が次のように答えていた。“This morning I had oatmeal. I have had the same meal for about 20 years. I never vary. My whole family laughs at me.” 話し手は過去20年、いつも朝食にはオートミールを食べており、家族から笑われようと変えるつもりはないと言っている。朝食のスタイルを変えないことを never vary と表現している。change でもいいのだろうが。vary がこういう場面で使えることを知った
vary という語は私には次のような使い方が頭に浮かぶ。The meaning of happiness varies from person to person. (幸せの意味とは人によって異なる)。朝食については私はめざしと納豆、らっきょう酢に漬けた野菜のピクルスがあれば十分だ。本当は味噌汁が欲しいのだが、こう暑いとどうも作るのが億劫になる。らっきょう酢に漬ける野菜、今はゴーヤにニンジン、タマネギ、ダイコンが主だが、これが私の朝食のthe icing on the cakeだろうか。「おまけ」程度の意味合いだ。私も人に笑われようと力強く主張したい。“I never vary.” と。