- 2014-05-25 (Sun) 21:46
- 総合
福岡は連日好天が続いている。少しずつ暑くなってきてもいる。部屋にこもって仕事をしている私は段々とこの暑さが気になり始めている。机の上の温度計に目をやることが多くなった。日曜の午後2時過ぎ、温度計は27.1度で湿度48%。まあ、この程度ではまだクーラーをつけずとも大丈夫だ。
去年の手帳をめくって見る。6月27日(木)の項に、クーラーを購入している。その前年の暮れに転居して、初めて迎える夏だったので、できるだけ我慢して、我慢の限界がきてのクーラー購入だったのだろう。今年は果たして6月のその頃まで耐えられるかどうか。
前回書いた翻訳チェックに依然追われている。私が翻訳に取り組むのはこれが三冊目。新聞社勤務の最後の年に片手間でマーク・トウェインの小説 “Pudd’nhead Wilson”の翻訳『二人の運命は二度変わる』を手がけた。あれはこんなに大変ではなかった気がする。まだ記憶に新しい『幸せの残像』もそれほど大変ではなかった。
何が違うのか。訳注を入れる必要がやたら多いのだ。翻訳している伝記本の主人公は19世紀末に生きた女性だから、当然のことながら、彼女と同時代を生きた人々は19世紀中葉から20世紀初頭に活躍した人々だ。名前を知っている人もいれば、そうでない人もいる。ネットでそうした名前を検索すると、結構ヒットする。浅学な私が知らないだけで、彼(女)らは当時は一世を風靡していた人物だった。もちろん、英国周辺での世界でだが。
人名事典で調べ、ネットで検索して、図書館に通う。まあ、汗を流して会社勤務を続けている同世代の人たちに比べれば、ストレスのない気楽な日々だから文句は言えないが、それでもはあーとため息をつきたくなる。
こういう内にこもる暮らし(仕事)をしていると、台所に立つことが気晴らしになる。今凝っているのが、最近ブログで書いたばかりだが、親子丼だ。馴染みの居酒屋のママさんに出し汁なんて何でもいいのよ、そばつゆでもいいのよ、と言われた。おお、そうなの? それでテレビで覚えた「ミリン2に醤油1、出し汁1」の出し汁をそばつゆにしてみる。ああ、実に美味。半熟の溶き卵が何とも言えない。これなら、外で親子丼を食べる必要などないではないか。レパートリーの少ない私にはこれはありがたい「援軍」の誕生だ。
そう思いながら、翻訳の文章をチェックしながら読み進めていたら、次のような文章に遭遇した。これは主人公の女性が友人に手紙で語りかけている述懐だ。それまで雇っていたクックを首にして、新しいクックがやってくるまで、一日だけ自分が家族や家人の料理を作らねばならなくなったことを嘆いている場面だ。
「それで私が今朝の朝食と夕食を皆のために作らねばなりませんでしたのよ。たまに食事を作るのは気晴らしにはなりますが、疲れますわ。今夜はオスカー(夫)とクラブでご馳走を頂くことにしています」(英文は続で)
あのなあ、もっとしょっちゅう気晴らしをしてやったらどうだい? 家庭円満の秘訣だろう、それが、古今東西! っと突っ込みを入れたくなった。英国で19世紀末、上流階層の家庭では何人も使用人がいて、使用人の一人であるクックが一家や家人の食事は作ったということは承知しているもののだ。この「突っ込み」も何とか「訳注」として潜り込ませようかと考えている。
(続)英文は以下の通り。
“… So I have had to cook breakfast & dinner for the household — very amusing for a change but tiring too. To-night Oscar and I feast at the club.”
Comments:2
- くろまめ 2014-05-28 (Wed) 17:27
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こんにちは!
訳本チェックおつかれさま~
厨房に入る男子はステキです! 良い機会に恵まれてなにより(^^)。こちらのほうもご精進あれ^^
最近ですが私もほとんど家の中ですごしています。漱石と龍之介の本を読んでいたら、若い頃には飛ばして読んでいた「注解」が面白いことに気づきました。二度面白いです(^^)。
省一さんの訳本の「訳注」は、三度は面白がってもらえるのではないかなあと、おもうたりしとります。
それではまた~ - nasu 2014-05-29 (Thu) 08:24
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くろまめさん おはようございます。福岡は今日も快晴です。日本全国そうかもしれませんが。台風の来ない今時分は最高ですね。これで温度がせいぜい27度ぐらいで高止まりしてくれれば言うことないのですが。室内の温度は朝8時過ぎで26.4度。今日も汗ばみそうです。訳注、私のものは「鼻くそ」みたいなものです。面白くするように努力はしてますが。省一