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「屁眼」ピエン?

  • 2021-01-16 (Sat) 10:27
  • 総合

 昨年の新語の一つに「ピエン」という語があるということを公民館の中国語講座で知った。受講生がそれをショートスピーチの話題にしたからだ。ちょっと残念なとき、悔しいときなどにささやくように口にする語だとか。私は昔、仕事のプレッシャーを受けた時などに、意図的に「ひぇー」と小さく口ずさみ、同僚の笑いを誘ったことがあったが、それに似たようなものと思われる。
 「ピエン」は初耳だったので、ネットで調べると、「泣いていることを示す擬態語」という説明があった。私が面白いと感じたのは、中国語話者には要注意の語彙だとの指摘も見かけたことだ。「ピエン」は中国人にはいささか恥ずかしい語彙に聞こえる可能性ありとか。なぜ? 中国語では「屁眼」と聞こえるからだという。「屁眼」はピンイン表記だと<pìyǎn>。敢えてカタカナ表記すると、「ピィイェン」か。漢字(簡体字)から推測できるように「尻の穴」の意と中日辞典に載っている。コロナ禍が終焉し、再び台湾や中国に旅できるようになったとしても、「ピエン」などと口走ることのないように気をつけたい。 
 「屁」ついでに記すと、日本語で「放屁」の意味は改めて説明する必要もないだろう。昔、とある文学作品で「○○先生が放屁なされた」という文章を見かけたような記憶もある。中国語で「放屁」<fàngpì>と言うと、①おならをする②たわごとを言う意味だと辞書に載っている。②は他人に対して「ばか言え」「何をぬかす」と罵倒する時の表現だとか。これもできるなら面と向かって言われたくない表現だ。
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20210116-1610760416.jpg トランプ米大統領が四面楚歌に陥っているが、当の本人には反省の色も辞任の意向も微塵もないと伝えられている。さすがに支援の声があちこちからという状況ではなく、不機嫌極まりない時間を過ごしているようだ。自業自得。確か中国語では「自作自受」といった表現だったような。
 トランプ氏の大統領任期はあと数日。私には社会的命脈さえも危うく映るが、本来なら彼が大統領に再選されていたはずと盲目的に信じている熱狂的な支持者も依然少なくないようで、このあたりは理解に苦しむ。前々回の項で「アメリカ社会の劣化を物語っているような気がしてならない」と書いたが、その思いは日増しに強まる。
 CNNの記事をネットでチェックしていたら、「懐かしい」慣用句に出くわした。 “there is no love lost …” という表現だ。英和辞書で拾ってみよう。次の例文。There is no love lost between the two. (二人の間には失うべき愛情さえない、冷たい関係しかない)。要するに二人の間にはなから愛情とか親近感など存在していなかったというわけだ。私は昔、この表現を初めて目にした時に、「失われた愛情などない」と解釈して、二人の関係は依然良好ではないかと思い、この表現が欧米メディアのニュース原稿などに登場する度に戸惑ったことを覚えている。
 米下院で二度目の弾劾決議を受けたトランプ氏は上院での裁判が待ち構えているが、これまで彼を支えてきた共和党を率いるマコネル院内総務ら同党上院議員との関係は冷え切っており、ずっと “no love lost” だったと記事は述べている。本当?

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