- 2021-01-04 (Mon) 12:56
- 総合
正月4日。文字通り巣ごもりの日々を過ごした。生まれて初めてかもしれない。自宅でずっと没世間の日々を過ごしたのは。間違いなく人生で最も安上がりに過ごせた年末年始だ。スロージョギングで外出することもなく、パソコンのスクリーンに向かった。観たのは韓国ドラマ。特段観たかったわけではなかったが、観ざるを得なかった。これが韓流ドラマの怖いところ。もっとも韓国語のリスニング力をつけるという言い訳が成り立つのでこうやって臆面もなく書いているが、吹き替えだったら絶対に観てはいないと断言できる。
それならいやいや観ていたかというといや、全然そうではない。面白かった。韓国ドラマによく出てくる出生時の子供の取り替えとかやたら起きる交通事故が出現しなかったのも好感を持てた。私が今回はまってしまったドラマはケーブルテレビをカチャカチャしていた時に何回か垣間見たことがある邦題「私のIDはカンナム美人」。無料のAbemaTVで1日、2日と集中的に放送していた。私が気づいたのは1日の午後遅い時間。それから午後11時まで付き合わされた。2日は午後2時から11時まで連続9時間。2日間で計18時間の集中放映だった。私は初日の数時間は観ていなかったため、3日にその分を振り返って観た。
集中放映でCMも少なく、次から次にお話が展開するため、私はパソコンを手にトイレで用を足しながら観続ける羽目にも陥った。こんなことも初めて。「私の・・」の韓国語のタイトルは「내 아이디는 강남미인」。「강남미인」<江南(カンナム)美人>とは「整形美人」を意味することを知った。 ネット情報だと首都ソウルの南東部のカンナム地区は富裕層が住み、若い女性に人気で「韓国の表参道」とも称されるとか。「表参道美人」が「整形美人」を意味するということか。
器量に恵まれず、同級生に「化け物」と陰口をたたかれ、いじめに遭ってきた少女カン・ミレが大学入学を機に母親の勧めもあり整形手術を受ける。願いは超のつく美人になることではなく、普通の平凡な容姿、誰にも陰口をたたかれない女の子になることだった。だが、手術を経て目にした顔はすれ違った誰もが振り返りたくなるような超のつく美形。はたかれ見れば「整形美人」であることは一目瞭然のようで、男子学生からはちやほやされるが、自分は「天然美人」だというプライドがある女子学生からは陰湿な策略に苦しめられる。すったもんだの末に、カン・ミレは容姿ではなく心根の優しさに惚れた超イケメンの同級生と結ばれるハッピーエンドとなる。
このドラマを見ていて「整形」という韓国ではごく一般的な風俗について考えさせられた。私はタトゥーもそうだが、天(両親)から付与されたものに手を加える(傷つける)行為は理解しがたい。しかし、カン・ミレが人から嘲笑されたくない、普通の少女のように幸せに過ごしたいと願う気持ちはよく理解できる。だからといって、整形に走る行為を是認するわけではないが、あまり独断的な切り捨ては避けた方がいいようだと感じた次第だ。
それにしてもお隣の国の「外見至上主義」は凄まじいと思った。大学生がアルバイトの募集先に出向いても、容姿の良し悪しが採用不採用を左右する場面があったが、これほど近い距離にある、見た目はとてもよく似ている日韓両国の際だった乖離。再び旅することができるようになったら、この辺りのことも肌で感じてみたいと願っている。
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