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June 2024

Z世代(Gen Z)?

 仕事がちょっと忙しいこともあってブログをアップする気になかなかなれない日々が続いている。書きたい事柄がないわけでなかったが、そのためにはニュースをじっくりフォローする必要があり、これも片手間で取り組むと墓穴を掘ることになるのは分かりきっているので、控えざるを得なかった。
 そうこうしているうちに、米大統領選の行方を左右する可能性のあるバイデン大統領とトランプ前大統領の候補者テレビ討論会がCNNが主催する形でジョージア州アトランタで行われた。残念ながら生中継を見ることはできなかった。
 読売新聞朝刊(土曜日)では一面左肩で「米大統領選 TV討論 非難の応酬」「バイデン氏高齢不安に拍車」という見出しでこのニュースを報じていた。わざわざ「バイデン氏高齢不安」と見出しにうたっていることで、討論会がトランプ氏優位で推移したことがうかがえる。YouTubeで流されている討論会の様子をその後、幾つか見たが、確かにバイデン氏が自信なさげに言葉に詰まるところとか、何を言っているのか意味不明のところを見ると、御年81歳のバイデンさん、果たして自由で民主的な国々を率いる指導者の役割を今後も担い続けることができますかと不安になった人々は多かったことだろう。
 続く夕刊の紙面では、民主党内や支持基盤層からバイデン氏に出馬辞退を求める声が起き始めていると報じられていた。思わぬ苦境に、当のバイデン氏自身は最後まで選挙戦を戦い抜く決意を表明している。二回目で最後の討論会は9月10日に予定されている。バイデン氏が体調を整え、トランプ氏の詭弁、虚言を一蹴する闊達さを見せて欲しい。
 とここまで書いて、実は本当に書きたかったテーマはこんなことではない。東アフリカのケニアのことを書きたかったのだ。日本のメディアではあまり報じられていないと思うが、ケニアでは政府の増税法案に対する国民の猛烈な反対が起き、首都ナイロビを中心に騒乱状態となっているようだ。法案反対のデモの中心を担っているのは若者。今回の騒乱状態に陥る直前にケニアの地元紙をネットで読んでいて、思わず、手をとめてじっくり読んだコラムがあった。
 そのコラムの筆者はナイロビの出版者(a book publisher)。“Angry and unafraid: When Gen Z storm country’s streets” という見出しで、ケニアの怒れるZ世代の若者たちが通りに出て政府の施策にNoを突きつけて行動している背景を解説していた。Z世代(Gen Z)とは1990年代半ばから2000年代前半生まれであり、年齢で言えば、現在13歳の中学生から22歳の大学生くらいまでとか。
 私が注目したのはこのコラムを締め括った次の文章。Our democracy and political process will only get better as the Gen Z become more active as they are less tribal (some have no tribal consciousness at all). Our current politicians who thrive on tribal politics will be at a loss when the Gen Z start voting. There is hope for Kenya.
 ケニアのZ世代の若者たちが部族主義(tribalism)や部族意識のくびきから自由であることを心から願う。ケニアが国家として発展するには偏狭な部族主義との決別しかない。ケニアがそれを実現できれば、それは国境を越え、hope for Africaともなる。

藤井八冠→七冠

20240621-1718974428.jpg 仕事を終え、疲れて帰宅。風呂にお湯をためて、夕食の準備でもせねばと思いながら、パソコンでYouTubeをチェック。お、将棋の叡王戦を生中継している。藤井聡太八冠が叡王のタイトルを防衛すべく、伊藤匠七段の挑戦を受けている。21歳の同い年。小学生の頃からのライバルだ。現在地はだいぶ開きがあるが、これから長く宿敵と称されることになるかもしれない。判官贔屓としては伊藤棋士を応援したい気もするが、好青年の藤井棋士の活躍も願いたいしと、家事はすっかりそっちのけで両棋士の激突を見守った。
 私が見始めた時は画面のAI(人工知能)は藤井八冠が優位にあった。最後には藤井八冠がそのまま押し切り、防衛に成功するのだろうなと思っていた。ところが、終盤で八冠が意外な手を放ち、AIの優位判定が挑戦者に大きく振れた。形勢逆転に解説の二人のプロ棋士も慌てふためいていた印象だった。ど素人の私には本当に伊藤棋士が優位となったのかよく分からなかったが、藤井棋士の苦境が彼のらしからぬ表情から見て取れた。
 勝敗が決した後のお決まりの記者会見。将棋専門記者が勝者、続いて敗者にマイクを向けてインタビューするのだが、勝者はともかく、敗者にも情け容赦のない質問の数々は少し酷ではないかと思うほどしつこかった。これで藤井八冠は一冠を奪われた。彼のことだから、来年には八冠に返り咲いているかもしれない。いや、伊藤新叡王もかなりの実力者だから、そうはならないかもしれないし、残る七冠もそうそうたる棋士が奪取を目指しているから、一つ一つを防衛すること自体が至難の業だろう。いずれにせよ藤井棋士が八冠の座から追われた記念すべき一戦を「目撃」できたことは悪くないと思う。
                  ◇
 非常勤講師とはいえ、日々教壇に立つようになって以来、楽しみな晩酌は控えるようになっている。金曜夜と土曜だけは心置きなく杯を傾ける。暑いこれからは生ビールがますますうまくなるのだが、一つぐらいは禁を維持したいと思い、大好きなビールは一人酒では飲まない。従って焼き鳥屋で飲む時はハイボール、家飲みする時は黒霧島。どちらも甲乙つけがたいほど、美味い。
 最近食に関して一つ気づいたことがある。私はらっきょう酢を好んで使っている。酢には他にもさまざまな種類があることは承知していたが、ずっとらっきょう酢一筋だった。残念ながら、らっきょう酢はスーパーやコンビニには置いてない。それで量販店で買い求めている。量販店はちょっと遠いところにあるので、リュックを背負い、散歩がてら出向き、1㍑のボトルを2本購入している。先日も2本買おうとしてふと、リンゴ酢に目をやった。リンゴ酢はまだ使ったことがない、試しに使ってみるか。
 タマネギをむいて切り、いつものらっきょう酢ではなく、リンゴ酢に漬けた。念のため、ハチミツをすくってタッパーに落とした。これで甘みが増すだろう。さて、翌日、楽しみにタッパーの蓋を外し、タマネギを食してみる。げっ、まずい。身体にいいと分かっていても、これは食べる気になれない。漬けがたりないのか。もう一晩寝かして、翌日、箸をのばす。だめ、依然としてとても食べる気にはなれない。嗚呼、決して安くはなかったハチミツも無駄にしてしまった。やっぱり、らっきょう酢にはかなわないようだ!

「ハッピーバースデー」とは口が裂けても・・・

 米大統領選。11月5日投票の本戦まではまだ間があるが、YouTubeをのぞくと、バイデン大統領の民主党と、トランプ氏を擁立する共和党のつばぜり合いが次第に熱を帯びつつあるようだ。両者ともに党の大統領候補者として決定したわけではないが、二人が本戦で相まみえることは実質上間違いないのだろう。
 米国の政治。何度かこのブログで書いたかと思うが、またあのトランプ氏が大統領選の有力候補ともてはやされていようとは信じ難い。悪夢のような米国政治の流れだ。なぜ、前回大統領選後の2021年1月に首都ワシントンを騒乱状態に陥れた張本人のトランプ氏が、また不倫の口止め料を隠すために業務記録を改ざんした罪で有罪評決を受けた人物が大統領に再び選ばれる可能性さえあるとは。法的な問題はよく分からないが、もっと分からないのは誰が見ても米国にとっても、そして世界にとっても好ましからざるとしか思えないトランプ氏を一定数支持する米国民が存在し続けるという現実だ。
 これまで米国内の世論調査では再選を狙う民主党のバイデン大統領を終始、共和党のトランプ氏がリードしていたように思えるが、最近では先述した有罪評決が影響したのか、バイデン氏がわずかながら逆転したとの調査も出始めている。YouTubeを見ると、なぜか分からないが、トランプ氏に遂に見切りをつけたという米有権者、それも共和党に近い人々の声が次々に流れてくる。例えば、「私はこれまで一貫して共和党支持者だった。2016年も2020年もトランプ氏に投票した。しかし、今回はバイデン氏に投票する。この国の憲法をないがしろにし、民主主義の根幹を否定するトランプ氏をこれ以上容認することは絶対にできない」という男性有権者の声など代表的なものだろう。
 こうしたYouTubeを見ていると、11月の大統領選でバイデン大統領がトランプ氏を再び破るのではないかという期待さえ抱かせる。さて、どうだろうか。YouTubeは視聴者の趣向に沿って流れてくるとも聞く。トランプ氏を好ましく思っている視聴者のパソコン上のYouTubeではバイデン氏を罵倒する番組が流れているのだろうかしら。
 バイデン大統領は今月7日、第2次大戦の激戦地、ノルマンディー上陸作戦のフランス北西部のオック岬を訪れ、米国民を念頭に演説している。多くの米兵がドイツ軍を撃退する際に命を落としたことに触れ、米兵の無私の犠牲があってこそ今の自由や民主主義があるのであり、我々もいかなる侵略に断固として戦う責務があると訴えた。名指しこそしなかったものの、ロシアのウクライナ侵攻に対し、米国のウクライナ支援継続に否定的なトランプ氏を糾弾する意向が色濃くにじんでいた。
 一方のトランプ氏は自身に近い保守的なテレビ番組でつい先日、「中国であれ、ロシアであれ、ホワイトハウスに賢明な大統領を据えれば、問題は簡単に解決できるのだ。だが、米国内に存在する内なる敵こそ米国にダメージを与えている」と述べ、バイデン政権や民主党陣営をなじった。傲岸不遜とはトランプ氏のためにある言葉なのか。とにもかくにもこの秋にはバイデン大統領が再選されることを願うが、大統領は御年81歳。米国民でなくとも健康状態が気がかり。共和党は今後、バイデン氏の高齢問題を改めて責め立てるだろうが、トランプ氏にしても14日にめぐってきた誕生日で78歳となっている。

プラットホーム

 中学校や高校で英語を教えるようになって、英語の他動詞、自動詞の差異について、改めて意識することが増えた。自分ではもう十分理解しているつもりでいても、紛らわしいケースがあり、落ち着いて考えを整理することがよくある。
 余裕があれば聴くようにしているNHKラジオの英会話講座。「ボキャブライダー」という一回5分の講座で4つの語を例文とともに紹介している。リスニングの鍛錬になる。先日はform という語が紹介されていた。「形を成す」「できる」という動詞としての form だ。聴いていて、この語に他動詞と自動詞の二つの側面があることに気づかされた。「午前9時までにはそのラーメン店の前に長蛇の列ができていた」という英文は “By 9 am a long line had already formed in front of the ramen shop.” とされていた。
 私が普通に英訳すると、“By 9 am a long line had already been formed in front of the ramen shop.” となるかと思う。formを他動詞の「~を形成する」ととらえ、受動態の表現にするのが手っ取り早い気がする。「長蛇の列が形作られた」とするのだ。改めて辞書をひくと、「生ずる」「でき上がる」という自動詞の側面もある。なるほど、自動詞だと “a long line formed” という文章ができるわけだ。私の辞書には次の例文が載っていた。The plan slowly formed in his mind.(その計画は彼の心の中でゆっくりと形をなした)。了解!
 form と言えば、これも最近思いを致したことがある。通勤で駅に向かって歩いている時にふと思った。プラットホームって英語では何と言うのだろうか。ひょっとしてplathome? いやこんな語は見たことがないような。辞書で確認するとplatformだった。他には「演壇」「舞台」「(政党の)綱領」などの意も。原義は「平面図」「計画」らしい。
 「1番(プラット)ホームに電車がやって来ます」という駅でのアナウンスは、「1番(プラット)フォームに・・・」と言った方が原義に忠実ではないかなどと思ったりもしたが、そうなれば、多くの人が困惑することだろう。「ホーム」の方が「我が家」を連想させ、ぬくもりを感じさせる印象があるし。
                  ◇
 泣き言は書きたくないのだが、最近、背中の帯状疱疹がまた痛むようになっている。日中はいいのだが、明け方と寝起きに背中や胸が重苦しく感じる。以前にもこういう感じはあったのだが、回復に向かっていると思っていただけに、このところの重苦しさはちょっとよく分からない。目が覚めて仕事(雑用)に向かえばそうは気にならなくなる。日中教壇に立っている時はすっかり忘れている。
 発症してから一年半が経過する。皮膚科や内科には何度も足を運んだが、らちがあかなかった。ペインクリニックで高価なブロック注射も打ってもらったが、今の自分がある。いつぞや、読売新聞紙上で帯状疱疹の地道な治療に当たっている医師の記事を読んだことがある。ネットで検索した。長年の研究成果は「宮崎スタディ」と呼ばれ、宮崎県日南市で診療所を営んでおられるとか。日南市は宮崎市や郷里の西都市からは離れているので、訪れたことはなく、土地勘もない。学校の仕事が夏休みに入る来月末にでも訪ねてみようかと思い始めている。藁(わら)にもすがる思いだ。

久しぶりのしぶこスマイル

 南アフリカで先週実施された国民議会(下院・定数400)の総選挙。予想通り与党のアフリカ民族会議(ANC)が苦戦を強いられ、ネルソン・マンデラ氏に率いられて、アパルトヘイト(人種隔離政策)から決別し、民主国家が誕生した1994年の総選挙以来維持してきた過半数の議席数を初めて割った。ANCは依然、第一党の座は確保したものの、ANCの栄光と威厳は地に落ちたと表現したら言い過ぎか。
 総選挙の投票率は約58%。前回2019年の投票率66%から更に落ち込んだ。全人種による初の総選挙が実現し、南ア全体が高揚感に包まれた1994年の投票率は約86%だった。私は当時読売新聞のロンドン支局に勤務していて、応援の選挙取材でヨハネスブルクを再訪していた。投開票の夜、タウンシップと呼ばれていた黒人居住区にも一人で足を運んだが、普通だったらあまりに危険で行かなかっただろう。だが、タウンシップの人々はANCの圧勝を信じ、貧困からの脱却の予感に酔いしれていた。私のカメラを見つけた子供や若者たちが笑顔で群がってきたことを覚えている。
20240603-1717414839.jpg あれから30年。ネットで連日、南ア発のニュースをチェックしていたが、南アの国民、特に圧倒的多数派の黒人層がANCに抱く失望感は深かったようだ。彼らの苦しい暮らしが一向に改善の兆しが見えず、これからも期待が持てないことがANCからの離反につながったことは間違いないと思う。先行きの視界も不良。
                  ◇
 久しぶりにプロゴルフをテレビで早朝というか未明から観戦した。アメリカで行われていた渋野日向子プロ(25)に復調の兆しが見られていたからだ。最終日を迎えてトップは米国と豪州、タイの選手3人で5アンダー。渋野プロことしぶこちゃんは首位から2打差の4位からスタートした。
 ところが、優勝したのは彼女の一つ前の組、5位の2アンダーから出た笹生優花プロ(22)。上位選手が難コースにスコアを崩す中、笹生プロは最終日もアンダーパーで回り、通算4アンダーで見事に優勝。彼女は3年前にもこの大会を制しており、日本人プロとして男子を含め、メジャー大会で初の2勝を記録した。
 私は副音声で現地のアナ、解説者の実況を聞いていたが、笹生プロの鉄壁のプレーを絶賛していた。日本人の父親、フィリピン人の母親を持つ笹生プロはまだ22歳の若さ。これからどれだけ勝利数を重ねるか楽しみだ。しぶこちゃんも随所で粘りのプレーを見せ、通算1アンダーで2位に食い込んだ。彼女は笹生プロの一つ後の組でプレーしており、プレーを待つ間に笹生プロのグリーン上でのパットを応援するすがすがしい光景がテレビ中継で流れた。現地のギャラリーもしぶこちゃんのシンデレラスマイルに魅了されていた。
 アメリカを舞台にした女子ゴルフはこれまで韓国勢の活躍が目立っていた。日本勢は正直、特に最終日のプレーがひ弱な印象だったが、笹生プロやしぶこちゃんの奮闘は応援のしがいがあった。最終日のリーダーボードを眺めると、上位11人のプロのうち、日本人の名前が5人も。男子プロの低迷をあざ笑うかのような活躍だ。サッカーにバスケット、バレー、卓球。男どもは大和撫子(我ながら、何という呼称!)を見習うべきか!

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