- 2012-06-01 (Fri) 05:31
- 総合
ロンドン郊外のヘイズという町にあるホテルをこの日出て、列車でオックスフォードに向かう。目的は “Alice’s Adventures in Wonderland” (邦訳『不思議の国のアリス』)の舞台となったゆかりの地を訪ねることだ。
木曜日の午前11時過ぎという時刻ゆえか、3両編成の列車は空席が目立つ。新聞に目を通しながら、車窓の光景を見やる。ほどなく、車窓一杯に「緑の絨毯(じゅうたん)」が広がる。日本ではあまり目にしない光景だ。英国は単に国土の面積で比較すれば日本より小さい国だ。ただ、山林の多い日本に比べ、平野部により恵まれているためか、鉄道やバスの旅で味わう「解放感」は日本より勝っているかと思わざるを得ない。
1時間40分ほど経過してオックスフォードに到着。駅を出て、キャリーバッグを引きずりながら、中心街を歩いてみる。さすがにロンドンと比べればのどかな印象を受ける。少しお腹が空いていたので、今日は、普段食べないランチを食べることにして、カフェの中に入ってみる。ゆったりした空間の壁の書棚に、雰囲気のある古書が並べてある。オックスフォード大学を抱え、「文教の街」という感じがしないでもない。
ここではB&B(ビーアンドビー、bed and breakfast)と呼ばれる「朝食付きの民宿」を予約していた。「民宿」のような宿だから、ホテルよりも割安。私が泊まる宿は一泊38ポンド(約5300円)。探せばもっと安いところはあるのかもしれないが、ネットもできるようになっているし、電話で予約を確認したご主人の対応が親切でここに決めた。
オックスフォードの中心部からバスでB&Bに向かう。24時間以内なら市内乗り放題の切符が4ポンド(約560円)だった。それはそれで助かるのだが、面食らったのはバスの中で「次の停留所」の表示もアナウンスがなかったことだ。自分が降りる停留所の名前は分かっていても、それがいつやって来るのか皆目分からない。こんなバスには乗ったことがない。困ったなあと思案していたら、私の様子に気づいたインド系の男性乗客が声をかけてくれて、目指す停留所が次であることが分かり、ほっとした。
もちろん、運転手さんに聞けばいいことだが、そう簡単にいかないケースもある。一緒に下車したインド系の男性もB&Bのご主人も「この辺りは田舎ですから、次の停留所の表示はないんですよ。あなたの言うことはもっともです」と語っていた。私の場合は乗車前に自分の下車停留所を告げていた運転手が、バスが出発する前に交代していたことに私が気づかなったこともあるのだが。
いや、旅には予期せぬハプニングが付き物。とはいえ、やはり、油断していると、いつ足元をすくわれることになるか分からない。
英国はこの週末から来週火曜まで、エリザベス女王の即位60周年を祝うダイヤモンドジュビリーでお祝いムード一色に染まるらしい。私はアリスが飛び込んだウサギの穴でも探してみることにしよう。
(写真は上から、車窓から見えた「緑の絨毯」。オックスフォードの中心部の通り。広場で週一回開催のマーケット。衣服や骨とう品、古本、アクセサリーなど雑多な品が)
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Comments:4
- たかす 2012-06-01 (Fri) 08:56
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窓から見えた「緑の絨毯」は牧草ではなく小麦でしょう。6月に収穫のはず。三圃式農業であれば近くに牧草が生えるのを待つ空き地のようなところが広く広がっていて牛がいると思います。
- nasu 2012-06-01 (Fri) 17:19
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先生 牧草ではなく小麦でしょうね。牛は全然見かけませんでしたから。アメリカでは大豆の畑も数多く見かけましたが。食糧ではなく、油を取るのが目的のようでした。
- なおくん 2012-06-01 (Fri) 17:54
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那須さん。お久しぶりです。
福岡の某バーでお世話になっていた『なお』です。
1年ぐらい前からお店をはじめまして、いろいろと忙しくブログが覗けていませんでした。
最近『アメリカ文学紀行』を購入しました。いま、アメリカの雰囲気を出したお店を経営しているのですが私にとって必須本です♪勉強になります☆
今は英国におられるのですね。また、ブログをちょくちょく覗かせてもらいます~♪それではお体に気を付けて。 - nasu 2012-06-01 (Fri) 18:27
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なお君 いや、久しぶり。ありがとう。忘れないでいてくれて。そうか。自分のお店ね。それはおめでとう。帰国したら、のぞきますよ。別途メールします。那須