Home > 総合 > “at the end of the day”

“at the end of the day”

  • 2012-09-26 (Wed) 07:41
  • 総合

 日本はまだ残暑が続いているのかどうか。ここイングランドは朝夕めっきり冷え込んできたような気がする。時に「おおさむ!」という感じだ。「おおさむ!」と言えば、昨年のアメリカの旅で毎日のように “Awesome!” という表現を耳にしていたことは「アメリカをさるく」ブログで紹介した。そんなに “awesome” とも思えない状況で、彼らはこのような賛辞を口にしていた。なぜだか分からないが、“Awesome!” という表現はこちらの人はほとんど使わないような印象だ。
 イングランドでよく耳にする表現を以下に記したい。あくまでも私の個人的印象だ。まず、“Absolutely!” という表現。知り合った人が前夜に劇を観に行ったとして、翌日劇はどうだった?と尋ねたとする。“How was it? Did you like it?” と。返ってくる言葉は “Oh, absolutely!” というものだ。あるいはゲストハウスで面白そうな本を目にしたので、宿の主人に “May I read this book for a while?” と尋ねたとする。返ってくる言葉は “Absolutely. Go ahead.” という許可の言葉だ。
 単に “Yes.” で済ませられる状況で、“Absolutely” という表現が返ってくる。「さあ、お好きにどうぞ!」というわけだから、そういう応対をされて悪い気持ちは全然しない。ただ、この「アブソリュートリー」がもうめったやたら「登場」するのだ。“absolutely fabulous” とか “absolutely acceptable” などと形容詞と一緒の表現まで含めたら、普段の生活で耳にする頻度はさらに増大する。ここまで「ありふれた」表現になると、「絶対に」「まったく」という意味合いは薄れてしまい、そのうちに “absolutely” は “yes” と大差ない肯定的表現とされるかもしれないなどと思ってしまう。
 “at the end of the day” (結局のところ)というイディオムもよく耳にする。私はこのイディオムが好きでこれまで自分でも結構使っていた。この表現は何だかリズム感がいいなとも思っていた。こちらに来てBBCの「radio 4」を聴いていて、記者やインタビューを受けている人の口からこの表現が出ない日はないのではと思うくらいしょっちゅう耳にしている。
 ケンブリッジで馴染みになったカフェの店の人と語らっていて、私が“at the end of the day” という言い回しをラジオや新聞、日常会話でよく耳目にしていると話したら、店の人は「私はその表現が大嫌いなんですよね。そういう表現を耳にすると、引きたくなるわ」と言う。なぜ、そんなに毛嫌いするのか今一つ理解できなかったが、要するに「独善的」「手垢」のついた表現ということかもしれない。私たちの会話を聞いていたお客さんが「私もその表現は嫌いです。私は誰かが “At the end of the day …” と話し始めたら、“It gets dark.” と茶茶を入れてますよ」と口をはさんだ。「一日の終わりには 暗くなる」という次第だ。なるほど、これは面白い。とはいえ、ある程度気心の知れた間柄でないと、こういう合いの手は入れにくいだろう。
 まあ、私は “At the end of the day I’m here to listen to people, not to make fun of them.” であるし、もし “Are you enjoying staying here in England?” とでも尋ねられることがあれば、“Oh, Absolutely.” と答えることにしている。

このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。

Home > 総合 > “at the end of the day”

Search
Feeds

Page Top