- 2012-06-04 (Mon) 03:41
- 総合
正直に告白すると、こんなに面白い小説だとは思わなかった。題名から勝手に「ひみつのアッコちゃん」のような子供向けの童話ぐらいに考えていた。今年始め、とある集まりに参加していて、退屈しのぎに愛用している電子辞書に収蔵されている「世界文学100作品」をいじっていて、“Alice’s Adventures in Wonderland” が含まれていることに気がついた。何気なく読み始めたら、すごく面白そう。帰途、邦訳『不思議の国のアリス』(矢川澄子訳、新潮文庫)も書店で買い求め、同時に読み進めた。
著者のルイス・キャロルは1832年生まれで、教師(数学者)としての生涯を母校のオックスフォード大で送った人物。キャロルは筆名で、本名はチャールズ・ドジソン。アリスの物語は1865年に発表されている。
しばらく読み進めたところで思った。いや、これはやはり子供向けの童話であるのだろうが、この奇想天外さは子供に理解できるのだろうか。大人でも「手を焼く」のではないか。いや、逆に純真無垢な子供たちだからこそ無理なく受け入れることができるのか。
物語は土手の上から始まる。主人公の少女、10歳のアリスはお姉さんのそばに座り、お姉さんの読んでいる本をのぞきこむ。その本には挿絵もないし、会話文もないので退屈してしまう。「挿絵も会話文もない」(“without pictures or conversations” )本なんて何の役に立つのかしらと彼女は不可解に思う。
挿絵はともかく、確かに会話文の少ない小説は読破するのは骨が折れるものだ。この点ではアリスに全く同感だ。日本語であれ、英語であれ、読みたい本があって、ページをぱらぱらめくってみて、会話文があって「余白」というか「白地」がある程度目立つと、私はほっとして「読書意欲」をそそられる。情けない話だが。
話が例によって横道に逸れた。本論に戻ろう。姉さんの本に興味を失ったアリスは暑さもあって、頭がぼうっとしつつある。その時、アリスの目の前を白ウサギが「大変だ、大変だ、大遅刻しそうだ」と言って通り過ぎる。これだけでも普通は「大変」な事態なのだが、白ウサギが着ていたベストのポケットから時計を取り出して時刻を確かめる所作までした時に、アリスは思わず立ち上がったと述べられている。すごい出だしだ。
邦訳本は随所に翻訳の工夫がうかがえた。例えば、第3章の表題 “A Caucus-Race and a Long Tale” は「堂々めぐりと長い尾話」との訳。もちろん、これは人間の言葉で「お話」をするのがネズミなので、「お話」の taleと同音のネズミの「尾」のtail をかけているのだ。インコやアヒル、ワシなどの動物から話をせがまれたネズミが「わたしのは、長い悲しいお話なんでね」とネズミは言う。これに対し、アリスは「たしかに長い尾生やしってとこね」とネズミのしっぽにつくづく見とれながら、・・・」と訳されている。「お話」とネズミが長い尾を生やしていることをひっかけた巧みな表現だ。原文では “It IS a long tail, certainly,” said the Mouse, looking down with wonder at the Mouse’s tail…. となっている。
(写真は上が、ロンドンで改めて買い求めた “Alice’s Adventures in Wonderland” 。価格は5.99ポンド(約840円)。下が、新潮文庫の邦訳本『不思議の国のアリス』)
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Comments:2
- takatoshi 2012-06-04 (Mon) 16:06
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2日浅草にて「なんじゃろ会」は無事終了、今回は校長先生と庄輔が地方出張、松尾ceoは不幸が有り宮崎に帰省、
結局、宮さま、一見夫妻、加藤(浅井)夫妻、孝子、佐藤(丹)さん、鯨羊羹屋の京子ちゃん、俺の9人と何時もより少ねぇして、てげ寂しかったごつあるが⁉
公家さんの話はして置いたかいね、終わってかいライトアップされたスカイツリーを眺め、あと何年後に上るこつが出来るやろかと思いながら、2次会の場所を探して回ったっちゃが。帰って来やったら、皆んなでまた集まろうと言う声が多かった、楽しみにしちょるわな。 - nasu 2012-06-04 (Mon) 16:36
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孝ちゃん そうや 2日が「なんじゃろ会」ちゅーのはすっかり忘れとった。校長先生やらが欠席しても9人も集まればすごいわ。お前さんと宮さまと一見君がおったら形にはなったやろ。俺も宮さまと一見君の掛け合い漫才、久しぶりに聞きたかったわ。焼酎うまかったやろな。俺はこのところ、ずっとギネス飲んでいる。だいぶ味にも慣れてきた。コクがあって「滋養」がありそうなビールやね。連絡ありがと。