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グラスゴー

  • 2012-08-24 (Fri) 06:55
  • 総合

 エディンバラを出てグラスゴー(Glasgow)を訪れている。同じスコットランドでもだいぶ印象が異なる感じだ。こう表現したらグラスゴーの人たちにどやされそうだが、エディンバラに比べ、幾分無骨な雰囲気の漂う都市のように見受けられる。
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 エディンバラから列車で約1時間の距離。到着後にコンビニのような店をのぞいて、届いたばかりの夕刊紙を買う。トップ記事が「グラスゴーで昨年、任務に従事している消防士への暴力事件が半減。PR活動が功を奏す」というものだった。消火作業や救急活動に当たっている消防士を襲うなんてことは日本ではちょっと想像できない事件だが、ここではそうでもなさそうだ。こういう記事を読むと少し気が滅入る。
 宿に入って、中心部への道順を聞いたが、受付にいた女性の言葉が何と言っているのかほとんど理解できなかった。通りの名称を言っているような気がしたが、果たして? といぶかりながら、歩いていると、ビルの側面に通りの名が記してある。Sauchiehall というスペリングだ。あ、彼女はひょっとしたらこれを言っていたのかな? 通りかかった女性にあの通りの名称は何と発音するのですか? と尋ねる。彼女は「ソキホール」と答える。人によっては「サキホール」とも「ソヒホール」とも聞こえる。いや、通りの名一つ取っても、スコットランドは発音が難解なことは間違いないようだ。
 アメリカはアメリカインディアンゆかりの地名に基づくものが多いから、英語らしからぬ地名であることは理解できる。その点、スコットランドはスコットランド固有の表現ゆえにこういう地名が多いようだ。この後もそうした地名にいくつか遭遇し面食らった。
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 とりあえず、パブをのぞく。例によって、ギネスの黒ビールを注文し、話し相手になってくれそうな人を探す。いたいた。テーブルに一人で座っている中年の男性客がいた。お腹が3段腹になった男の人で、頃合いをみて話しかけると、快く雑談に応じてくれた。この人のスコットランドなまりはそうきつくなく、だいたい理解できた。
 この夏の天候不順や好きなビールの種類などを語っていたら、話がふとスコットランドのユニークさに移った。彼からスコットランドの自慢話が飛び出すのかと思っていたら、彼は「スコットランドはイングランドに比べれば、人口、経済規模など、はるかに小さい存在。だから、今話題になっているスコットランドの独立は愚かなこと。独立など目指すべきでない」と語り始めた。彼のような考え方がスコットランドで優勢なのかどうか分からないが、誰も彼もがナショナリズム(民族主義)からスコットランド独立を求めているのでないことだけは確かなようだ。
 ひとしきり彼の意見に耳を傾けた後、またお酒の話になり、“have a good drink”(いい酒を飲む)という表現を私が口にすると、彼は「いや、ここではそういう言い方はしない、“have a good swally” と言う」と説明してくれた。「スワリー」と発音する。have の発音もイングランドとは若干異なっていた。あえて日本語表記すれば、「ハァヴ」ではなく短く「ハヴ」だ。
 (写真は上が、グラスゴー・セントラル駅の正面。下が、ソキホール通りの先にある広場で目にした、伝統的なバグパイプと太鼓の合奏グループによる演奏)

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