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「珈琲店タレーラン」は京都のどこにあるのでしょうか?

 岡崎琢磨さん『珈琲店タレーランの事件簿』(宝島社文庫)の中の「盤上チェイス」は、「京都市地図」を片手に読むと、さらに愉しめる作品です。
  ある事情により主人公は京都市内を逃げ惑うことになるのですが、地図があると何処をどう動いているのかがわかって、より面白いです。
 出町柳から丸太町橋までの、あるいは京阪三条駅から地下鉄市役所前駅までの距離感や位置関係が地図を見ていると、よくわかります(京都市民なら地図がなくてもわかるのでしょうが・・・)。
 ところで、この「珈琲店タレーラン」はどこにあると設定されているのでしょうか。
  結論を先にいってしまいますが、「富小路通り」と「二条通り」との交点の近く、もう少し厳密にいうと交点の少し北で「富小路通り」沿いにあることになっています。それは「盤上チェイス」の終局部まで読むと間違いなく特定できることです。また初めて主人公と「タレーラン」が登場する冒頭の短編「事件は二度目の来店で」でも確認することはできます。
  「盤上チェイス」の前半部で主人公がここに着くまで道のりの描写も実に正確です。
  「(地下鉄「京都市役所駅前駅」の)北側の出口から河原町通りに出る。そのまま北上して最初の角を左に折れ、荘厳な京都市役所の建物の裏を西進し、適当なところで右に曲が」ると、たしかに「富小路通り」と「二条通り」との交点にたどりつくのです。
 ここまで具体的な場所が明確になるように書かれている例は珍しいのではないかと思います。エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」のパリも谷川流「涼宮ハルヒ」の西宮も、むしろ現実の位置や距離とは違うように描かれているのです。実在の場所をモデルにしながら、あくまで小説はフィクションであるという意識を作者がもっていたからだと考えられます。
  では実際の「富小路通り」と「二条通り」との交点近くには、何があるのでしょうか。それは・・・行ってみなければ、わかりません。
  ちなみに『珈琲店タレーランの事件簿』第2巻は4月24日頃発売予定だそうです。

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