- 2008-12-03 (Wed) 07:34
- ミステリーな毎日
次は「哲学者の密室」読みました。
これまた、超~大作。
マルティン・ハイデッガーとエマニュエル・レビナスの哲学の勉強になります。また、20世紀推理小説と実存主義哲学が同じ土壌から生まれたという、とんでもなくも面白い理論も登場していました。
「死の可能性」にのみ本当のリアリティがあると矢吹駆は言っていました。駆を救うべくトンチンカンンな推理をするナディア・モガール。彼女は「愛の可能性」を信じています。この作品以後、「オイディプス症候群」「青銅の悲劇」と、彼女の推理力は向上していっているようです。このシリーズは駆の教えを理解して成長していくモガールの物語でもあるのです。
- Newer: 『熾天使の夏』、笠井潔さんの原点
- Older: 「ビデオテープの証言」ー刑事コロンボ