- 2010-10-31 (Sun) 16:37
- ミステリーな毎日
矛盾のない論理だけがリアリティと説得力をもつという本格推理の暗黙の前提が、疑われています。脱格系諸作品の中に整合性をもたないにもかかわらず妙にリアリティ（説得力）をもった論理が登場してきたからです。私が西尾維新氏の『クビシメロマンチスト』を読了したときに、違和感を覚えつつ本格推理と同じ味わいを感じとった理由も納得できました。ただ、ここで説かれている「様相論理」なるものが現代の産物であるのかどうかという点には、少し検証の余地があるようにも思います。また「後期クィーン問題」の「後期」とはいつのことか、『中途の家』以降のエラリー・クインの作品が、どのような方向性をもっていたかについても確認しなければならないと感じました。
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