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『熾天使の夏』、笠井潔さんの原点

 何でも、フランスに行く以前の、全共闘時代の矢吹駆の過去を描いているシリーズ・ゼロと銘打たれている作品です。
 読了して複雑な気持ちになりました。
 このような過去をもつ人間が犯罪者の罪をあばく探偵の役割を担いうるのか。矢吹駆が現象学を用いるようになった理由も、まだ掴みかねています。
 そもそも名探偵とは、描ききれない過去をもった人物として登場し、その不思議さに読者は魅了されるものではないでしょうか。過去は謎めいたまま置いておいていただたほうがよかったのでは・・・。
 「熾天使」の意味も、まだ、よくわかりません。でも、何とか掴みきりたい作品です。
 熾天使の夏 (創元推理文庫)

 
 

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