March 2008

　刑事コロンボ第１２巻は『アリバイのダイヤル』でした。コロンボがプールの水を舐める場面があります。やっぱりコロンボは、なかなか鋭いです。
　敵もさるもので、この犯人アリバイ作りのために絶妙な方法を用います。このトリックを見破るためにコロンボは発想の逆転をしていました。「そこに何があるのか」という問いを「そこに何がないのか」に転換するのです。
　名称は出てこないものの、やはり今回もコロンボはコーヒーを飲みながら「チリ」を食べています。（さりげない描写が憎い。）

　 と思っていたら、デアゴスティーニの『刑事コロンボ第１１巻・悪の温室』が届いていました。犯人役はレイ・ミランド。昨日観たヒッチコックの『ダイヤルＭを回せ』と同じです。（何という偶然！）
　 そう思って観るせいか、最初頻繁に電話が登場したりするのは『ダイヤルＭ』を意識しているのかという印象を受けました。犯人が罠をしかけたアイテムで、自らの首を絞めるという寓意性も生きています。
　この作品、実際に殺人が起こる前からコロンボが登場するという設定上の工夫を凝らしています。偽装の誘拐事件が行われるのですが、どの時点でコロンボが犯人の嘘に気がついているのか（コロンボが止めた車のトランクに被害者となる男が入っているなんて際どい場面があります…）考えさせられる作品でもあります。あらためて、じっくり検証してみたいと思っています。