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ハイジのミステリー②

アニメ版「ハイジ」第三話には鳥の「鷹」が登場します。ハイジは一瞬、鷹を非常に恐れます。これは、なぜでしょうか。一方で鷹は孤高の人生を歩む「アルンおじいさん」の生き方とも重ね合わせて描かれています。後年の宮崎アニメには必ずといっていいほど「飛ぶ」者が登場しますが、ハイジは飛ぶことを禁止された存在なのかもしれません。(オープニングで雲に乗ったりしますが…。)「飛ぶ」という行為は下界から離れることを意味します。アルンおじさんは、俗世間の人々とは一緒に暮らせずにいます。そういえば、『天空の城ラピュタ』に「人間は土を離れては生きていけない」という科白がありました。また第三話のクライマックスは夕焼けに萌えるアルプスのシーンですが、この場面は『風の谷のナウシカ』のラスト=ナウシカが降り立つ「金色の野」を連想させます。この時、ハイジはアルプスに魅入られ、アルプスと同化するのですが、その傍らには「大ツノの旦那」と「かわいいの」と呼ばれる動物が立っています。この動物は何でしょうか。「大ツノの旦那」はアイベックス、「かわいいの」はマーモットです。それにしても不思議な存在は第四話以降に活躍する犬のヨーゼフです。鳥のビッキーを助けるという高度な能力を持っていながら、常に無愛想にしています。原作には登場しないこの犬は、何を象徴しているのでしょうか。謎は深まるばかりです。写真はスイス・ツェルマットにあるマーモットの像。

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