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トランプの家

『劇場版名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』について

   『名探偵コナン』が劇場版として制作される場合は、スペクタクル作品(例えば大爆発が起こるといったような)になっている必要があるでしょう。スペクタクルの場合は、それに見合った舞台と人物が設定されていなければ、作品の中に不自然さ(例えば闇雲に爆破事件が起こるといったような)が残ってしまいます。その点でこの度の第17作「絶海の探偵」は無理なく作られているといえるでしょう(前作、前々作は多少無理があったような・・・)。
   科学と近接しているという意味でなら、「名探偵コナン」も「探偵ガリレオ」と通底しています。さらにいうならコナン君の場合は科学力によって開発された薬物(アポトキシン何とかでしたっけ?)によって青春時代を奪われています。いわば彼は科学文明の犠牲者なのです。と同時に彼は多大な科学文明の恩恵を受けています。アガサ博士の発明品が身体的欠損を補強しているからこそ彼は事件を解決できているのです。
   科学もミステリーも人類の「知性中心主義」の産物だと考えることができます。機械文明が人間の知性を凌駕するかもしれないという(先日の将棋の電王戦のような)不安が生じてくるとともに、ミステリーは名探偵に象徴されるような人間の知力の復権を目指して創作されてきました。しかし、必ずしもミステリーは安易な科学批判には向かいませんでした。すでに人類が科学の恩恵を受けてしまった以上、そしてミステリーもまた知性主義の産物である以上、科学を否定することは自己否定につながりかねないからです。ホームズ以降の名探偵達が、浄化運動を促進しようとする新興宗教やオカルティズムと対決してきたことは、このことと無縁ではありません。
   さて劇場版『名探偵コナン 絶海の探偵』は、最新鋭の科学技術が搭載されたイージス艦が舞台になっています。また日本国中に張り巡らされた監視カメラによって犯人の居場所を特定する(あたかも先日のボストンでのテロ事件のような)場面もありました。圧倒的な科学力の前で、一個人としての探偵がもっている調査力や推理力が、どんどん縮減されていくかのような印象さえ受けます。しかし、そのような状況下にあっても直感や想像などの人間的諸能力が最大限に発揮されないと、物事を正しい方向に導くことはできない。また、さらに高度で豊かな知力を持つことこそが、科学の力を最大限有益に発揮させることにつながると、この映画は訴えかけているのかもしれません。
   最新鋭の科学力にも限界というものはあります。その壁にぶつかったときに少年コナン君は、どのようなリアクションを示したでしょうか。あとは映画館でご覧になってください。(残念ながらTVドラマ「探偵ガリレオ」からは柴崎コウ=ウツミ刑事でしたっけ? は姿を消してしまいましたが、この劇場版コナン最新作では別の形で復活しています。シバザキ・ファンの方はお楽しみに・・・)。
   

劇場版コナン第十一作「紺碧の棺(ジョリー&ロジャー)」評

 ひとつ不思議な場面がありました。
 仲間たちと砂浜を歩いていたコナンが突然崖のうえに登るのです。そこで、眼鏡をスコープにして遠方を見るのですが、コナンは何に気がついて突発的な行動に出たのでしょうか。
 作品の中で、おおむねコナンは論理的に思考し判断しています。直感的な行動をとるときも、ある根拠に基づいている場合が多かったです。しかし、劇場版では霊感に近い感受性で何かを感じとる場面が見受けられます。スクリーンの中のコナンは全身が感覚になっているようです。
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劇場版コナン第十作「探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」評

 どちらかといえば、今回は警察にコネクションのある服部平次や白馬操(実は・・・)の方が有効に捜査を進めており、コナンの活躍場面が少ないようにも思われます。
 しかし、クライマックスのキーワード解読において、コナンは見事な分析をします。彼は人間性の分析にも優れていました。
 怪盗キッドが具体的にどのような動きをしていたのか。なかなか考えさせられる部分もある作品です。
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劇場版コナン第九作「水平線上の陰謀」評

 ほのぼのとした作品です。少年探偵団の思いやりが、よく描かれていました。
 一度、事件が解決した後、コナンは不審感を拭い去ることができません。そんなとき彼は全身で違和感を受け止めています。コナンには、論理や分析を超えた優れた直観力が備わっているのではないでしょうか。

劇場版コナン第八作「銀翼の奇術師」評

 コナン(新一)は飛行機の中で誰がどの順番でトイレに行ったかまで覚えていました。こんなときの彼は「観察」を通り越して「監視」に近いことまでしています。
 飛行機内で毒殺が起こりますが、毒を仕掛けることは容疑者すべてにできたことです。にもかかわらず、コナンは高速度で論理を展開し、唯一の犯人とトリックを特定していました。飛行機内という状況が、彼にも緊張を強いているようです。
 

劇場版コナン第七作「迷宮の十字路」評

 今回コナンと平次は、毛利小五郎が間違った推理してくれたり元太少年がミスをしてくれたりしたおかげで、暗号を解いたりトリックを見破ったりすることができていました。
 二人とも人の「こぼれ球」を拾う達人だといえます。ミスや間違いもプラスに働くことがあるということです。 

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劇場版コナン第六作「ベイカー街の亡霊」評

 コミック・シリーズでは、さほど強調さていませんでしたが、コナンはゲームが苦手であることが判明します。
 ゲームを苦手なコナンがゲームの中で戦わなければならなくなる話です。この世界では阿笠博士のアイテムを使うこともできません。
 ちなみに「黒の組織」はコンピュタープログラマーを集めていましたが、この組織がコンピュターを使って大掛かりな犯罪を目論んでいるとすれば、コナンはかなりな窮地に立たされるのではないでしょうか。
 

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