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November 2012
『年収150万円で僕らは自由に生きていく』
- 2012-11-29 (Thu)
- 後藤稔にまつわる話
最近、内田樹先生が講演で話題にされるイケダハヤトさんの『年収150万円で僕らは自由に生きていく』(星海社)が発刊されました。
面白いのは、ここにあらわれている精神が「節約」とも「清貧」とも「我慢」とも、まったく違うところです。本の中に描かれている「お金では買えない喜び」や「お金に換えられない幸せ」は、決して無理な犠牲を強いるものではありません。成長経済が終焉したあとのポスト・グローバル社会を生きる人間像が先取りされています。
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内田樹先生と春日武彦先生の対談
- 2012-11-28 (Wed)
- 後藤稔にまつわる話
笑福亭福笑師匠に作家の久坂部羊さんをご紹介いただきました。久坂部さんのデビュー作『廃用身』(幻冬舎文庫)は実に衝撃的な作品です。この物語の中に描かれている妄想のような実話のような世界からは妖しく生々しいリアリティがにじみ出してきます。『廃用身』の解説は春日武彦先生でした。そういえば春日先生と内田樹先生との対談本『健全な肉体に狂気は宿る』(角川oneテーマ21)があったことを思い出し、早速拝読いたしました。
思わず笑ってしまったのは統合失調症の女性の妄想の中に何故か岸恵子さんがよく出てくるという春日先生のお話でした。吉永小百合ではダメなんですかと突っ込む内田先生。ところで後藤正治先生『表現者の航跡』(岩波現代文庫)の中に内田先生のお好きな映画ベスト3が紹介されています。『秋刀魚の味』と『大脱走』と『燃えよドラゴン』です。前の二つの映画に関しては内田先生自身が言及されているものを読んだことはあるのですが、どうして『燃えよドラゴン』がお好きなのかは、ずっとわからずじまいでした。(合気道と少林寺では随分思想が違うでしょうし・・・)。ご本人に直接お尋ねしたいと思っていたのですが、この本に書かれていました。一読して・・・なるほどです。
心の病には深刻なものが多いのでしょうが、それに接するときにはユーモアが不可欠であると、あらためて認識した次第です。
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