2004-08-08
『恋』小池真理子
直木賞受賞作の『恋』を読みました。すごいおもしろかったし、どっぷりと小池真理子の世界にはまりながら読みました。矢野布美子が猟銃で人を殺してしまう背景には何があったのかが少しずつ解き明かされて行くんだけど、完璧と思えた片瀬信太郎と妻の雛子の世界が壊れようとしたとき、そして、さらに深い秘密をしってしまったとき、布美子は行動を起こしてしまう。そこには愛とは違う、恋という激しい感情があったんだと思う。恋は落ちるものだし、喜びと同時に、苦しみも伴うんだよね。最後の、マルメロの木が・・・のシーンでは、すごくせつなさを感じました。『無伴奏』を読み返したくなったな。小池真理子の作品の中では一番好きなんだ。『欲望』も読まなければ。
今日のコメント
すすむ: 大阪の小説家の卵の女性がいて憧れの作家は小池真理子だと云ってたですね。それじゃあアカンだろうと想いました……小池真理子は立派な作家だと想いますがこれから小説家になろうとする者が目標とする作家じゃないよね。目標は遠大に掲げんと。そのことをおもいだしました。 (2004-08-18 13:20)
ぴのこ: これから小説家になろうとする人が目標とする作家って、例えばどんな人がいいんでしょう。考えたけど、よくわかりませんでした。 (2004-08-18 16:31)
すすむ: 作家の質みたいなことだと想うのですが小池真理子はちょっとくずしたところにあるので。漫画でもそうなのです。きちっとした精密な作家を模倣した方が良いのですね。デッサンのしっかりした。まぁ僕独自の意見ですから気になさらないで下さいませ (2004-08-18 17:06)
ぴのこ: そうですね。でも、小池真理子はなかなか真似できないと思います。精密さとかはよくわからないけど。小池真理子は大王も絶賛してましたよ。 (2004-08-18 21:38)
すすむ: 目標とする作家はW村上はあかんでしょうな、すぐ真似だとわかってしまいます。最近の作家はラップ系がほとんどなのでいけませんね。模倣手本とするとすれば東大出の昔の作家かもしれません。大江健三郎などもO.K.かもしれませんよ。 (2004-08-20 20:22)