- 2010-09-19 (Sun) 14:20
- 総合
旅先でやはり真っ先に探すのは英字新聞だ。英語圏の国であれば当然、英字新聞が発行されている。タンザニアでは政府系の「デイリー・ニュース」紙や、ケニアのメディアグループが発行している「ザ・シティズン」紙など三つの新聞を目にした。
シティズン紙の編集局を訪ねた。紙面刷新の真っ最中で、編集局長の机の上はレイアウトの下書きが散乱していた。「明日が新紙面となる日で、悪いけど、時間がない。編集長なら少しは相手できるかもしれません」と丁重に言われたので、恐縮しながら、編集長を探す。いたいた。彼もパソコンの端末に向かって忙しそうだ。
ピーター・ニャンジェ編集長。「実は今日が私たちの新聞が誕生して6年目の誕生日なんです。それで、明日から紙面を一新します。明日を楽しみにしてください」とニャンジェ氏は語り、しばし歓談に応じてくれた。「資本はケニアですが、社員の大半はタンザニア人です。政府系紙と違い、我々はまだ若い新聞ですが、公正正確な報道で読者の支持を広げています。質量ともに充実した新紙面でますます評価が高まると確信しています」
翌日。街頭の新聞売り場でシティズン紙を買い求めた。500シリング。値段は前日と変わらないが、28頁から40頁に増えている。一面は紙面の案内を題字の左端に縦長にまとめてすっきりした印象だ。あれ、どこかで同じようなレイアウトを見たことがあるな。それもそのはず。かつて私自身が勤務していた「デイリー・ヨミウリ」の一面とよく似ている。米国人のデザイナーの指導を仰ぎ、新紙面のデザインを構築したという。
シティズン紙はいわゆるタブロイド版の新聞。新紙面でブロードシートと呼ばれる普通サイズの新聞のデイリー・ニュースとの差異が一層際立った感じだ。
中面を開いて読んでいたら、発行6周年の記念紙面とあって、編集局長の読者への挨拶のほか、各界著名人の同紙に対する期待の声、編集長、主要デスクの抱負が掲載されていた。圧巻は記者、カメラマンの全スタッフ51人が顔写真付きで紹介されていたことだ。日本の新聞ではさすがにここまではしないだろう。読者が同紙を身近に感じることは間違いないだろうが、うーん、所変われば・・・かな、などと考え込んでしまった。
デイリー・ニュース紙ではミクンブワ・アリィ編集局長が「まだ、ネットとかデジタル情報に脅かされる状況にはありませんが、覚悟はしています。ただ、それより、広告収入が落ち込んでおり、今はこちらの方が頭が痛い」と語っていた。同紙では収入の7割から8割が広告収入だという。
(写真は上から、ダルエスサラーム市内の新聞売り場。「ザ・シティズン」紙。左が旧紙面、右が新紙面の一面。中面では同紙の全デスク、スタッフを顔写真付きで紹介していた。「ザ・シティズンのドリームチーム」とうたっている。立派!)