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協力隊点描

  • 2010-09-04 (Sat) 15:00
  • 総合

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 「子供たちに歌を歌ってというと恥ずかしがらないで歌ってくれる。掃除を手伝ってといえば、実によく手伝ってくれる。日本だとこうはいきませんよね。子供たちとはルワンダ語で話すのですが、どうも大人よりも子供たちの方がよく理解してくれます」と内藤久美子さんは語る。
 内藤さんはルワンダで勤務するJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊員。ルワンダ国内で現在活動している34人の協力隊員の一人だ。キガリ市内にあるカトリック系NGOが運営するストリートチルドレンの保護施設「フィデスコ基金」で暮らす子供たちの世話をしている。福岡県宗像市出身で熊本大学大学院で児童福祉を専攻した。
 「今は20人ぐらいの子供たちが生活しています。親を探し出し、親元に帰したり、それが不可能ならば、親類に預けるとか、里親を探すとかしています。ただ、ここでの暮らしが良くて、家に帰りたがらない子供たちもいます」。施設内を見学させてもらった。寝泊りするところは二段ベッド。個人用の鍵のついたロッカーもある。訪れた時はお昼まえで子供たちは下の広場でサッカーに興じていた。
 ルワンダでジェノサイドと関係のないものを探すのは容易ではないかもしれない。この施設自体、1992年にストリートチルドレンに胸を痛めたルワンダ人の夫妻が開設したものだったが、夫妻はジェノサイド発生直後に殺害され、その後、上記のNGOなどの支援で復活した。
 キガリでは学校は午前、午後の二交代制になっている。一クラス60人なので、勉強の後れたここの子供たちがついていくのは大変だ。それで今では、施設内で内藤さんら職員が毎日1時間、算数や英語を中心に教えてもいる。
 とはいえ、最初はカルチャーショックもあったという。「ここの子は曇りのない目で嘘がつけるんです。日本での経験から言うと、そんな子は1人ぐらいだったかしら。でも、1年数か月経ったころ、しっかりと分かるようになってきました。要するに、信頼関係のあるなし、それは日本と同じなんですね」。
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 子供たちのランチをのぞいた。お昼はカウンガと呼ばれる、とうもろこしの粉を湯がいて練ったもの。スープと一緒に食べる。ケニアではウガリと呼ばれる定番の食事だ。カウンガをつまんで食してみた。塩味が利いていてうまい。あれ、ウガリはこんなにうまかったかな? 食事風景の写真を撮ると、僕も僕もとせがんでくる。人懐っこい笑顔だ。撮った写真をあげるすべがないのが残念だった。
 内藤さんの勤務はあと4か月ほど。「現職派遣」で協力隊員になったので、来年初めには元の職場の静岡県内の児童相談所に復帰する。
 (写真は上が、広場でサッカー遊びを終えた子供たちと触れ合う内藤さん。下が、ランチを食べる子供たち。この後も何枚も撮るのをせがまれた)

Comments:1

めるすき 2010-09-05 (Sun) 19:33

内藤久美子さん、宗像市出身でいらしたのにびっくりしました。誰にでもできるお役目ではないですよね。
勉強を積まれ能力を生かしてのチャレンジ素晴らしいです。
日本人として、福岡県民として誇りに思います。
現地の人々、子供たちとの架けはしになられての貴重な経験を、今度は日本の子供たちの為に生かしていかれるのでしょうね。
内藤さんと寝食を共にし、生きる希望を育んできたルワンダの子供たちは内藤さんに出会えたことを心の支えにして成長して欲しいと心から願っています。

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