- 2010-09-01 (Wed) 18:04
- 総合
キガリはアフリカで私の知る限り、一番安全な都市かもしれない。それは町を歩いていれば肌で感じる。
道行く人や商店の前にたたずんでいる人たちからは、大げさな表現を許してもらえれば、こちらの顔を「穴が開く」ほど見つめられてしまう。はてさて、キガリも中国の人たちがだいぶ入って建設工事を請け負っているようだから、私のような東洋人の風貌にはもう慣れているのではないか。事実、若者からはすれ違う際によく、中国語らしき意味不明の言葉をかけられる。
ただ、ラゴスやナイロビでもそうだったが、好奇心からの凝視であることが分かっているから何の不安もない。ハローと呼びかけたり、手を軽く振れば、向こうは破顔一笑だ。短足腹太丸顔の私の風貌はよほどアフリカの人に受けるらしい。あたしゃ、パンダか。
話が横道にそれたが、彼らの視線にそうした幾分の温かみを感じるからこそ、一人で歩いていても何の不安も感じないのである。これなら、夜の一人歩きも大丈夫だなと思い、着いた翌日の夜からホテル周辺や少し遠くの繁華街(と思われる地区)を徘徊している。体調もいつもの絶好調に戻ったからお目当てはもちろんビールと街の見物だ。
ジェノサイドの傷跡が完全に癒えたわけではなく、隣国に逃げ込んだ前政権の残党勢力がうごめいていることもあり、キガリ市内では銃を手にして軍兵士や警官の目が光る。事実、誰の犯行か分からないが、今年に入っても何回か、繁華街で手榴弾が投げ込まれるテロが発生し、死傷者が出ているという。
私はキガリの治安がいいのは上記の兵士や警官が角々に配置されているからだけではないと信じたい。ジェノサイドがあったのにこういうのも変だが、ルワンダの人々に生来の優しさがあるからではないかと思えてならないのである。だからこそ、許しがあり、今のルワンダがあるのではないか。この国がこれから発展していく中で、私が感じた優しさが希薄にならないで欲しい、そう願うだけである。
(写真は飛び込んだレストランのビュッフェ・ランチ。日本円で350円ぐらい。私はこれで十分。周りの客を見ると、お代わりが許されないため、お皿に山のように盛っていて、写真に撮りたいぐらいだった。下が、町を歩いていて遭遇した学校帰りの小学生。写真を撮っていいかと聞いたら、少しためらった後、ポーズを取ってくれた。左の子が8歳、右が7歳)
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Comments:3
- めるすき 2010-09-02 (Thu) 13:29
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ビュッフェでランチ、栄養のバランスを考えていらっしゃるようですね。さるかれる為には十分な腹ごしらえ必要です。
那須さんは想像するに
親しみのある雰囲気の方なのでしょうね。
小学生の女の子、お洒落な髪形ですこと
確かドレッドヘアーではないかと思いますが?
ちょっと恥ずかしげなポーズも可愛い~ - 那須 2010-09-02 (Thu) 15:27
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めるすき様
私はアフリカ仕様の風貌に生まれたようです。この顔のおかげでだいぶ窮地をしのいできたような気もします。亡き母に遅ればせながら感謝しています。
決して少女趣味ではないのですが、可愛い子供たちを見かけると写真を撮りたくなってしまいます。子供たちの屈託のない笑顔がある限り、その国の未来は明るいと思えます。楽天的過ぎるかもしれませんが。 - あつ子@カナダ 2010-09-03 (Fri) 06:43
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トロントに来た頃、必ずといってよいほど「中国人ですか?」と聞かれました。「日本人です。」と言っても「どちらも同じようなものだ・・・」と言われたりしました。30年以上も経ちましたが、子供達も小さい頃差別の言葉を投げかけられてションボリすることもありましたが、でも、さほどそれらを長く根を持って気に掛けることはなかったようです。学校ではその厳しい言葉は国が守ってくれましたから。でも、差別される経験は私にとっても「差別されるとはこのようなことなのだ・・・。」と思ったものでした。
今では、あの頃が嘘のように思えたりします。