- 2010-08-23 (Mon) 19:50
- 総合
思わず、”Who are you?”(あなた方はどなた方ですか?)と尋ねてしまった。先週金曜の夜、ナイロビ市内の高級ホテルのレセプション会場。ひょんなことから会場に足を運んだ私はそこで催されている集まりの趣旨もろくに理解していなかった。ケニアの北の隣国、ソマリアに関係する集会であるとは聞いていたが。
会場で最初に目にしたのは青を基調にしたTシャツを着た若い男女のグループ。細身で端正な顔立ちの人が多い。冒頭の質問に対し、一番端の女性から返ってきた答えは”I’m fine, thank you.”だった。私もつられて”Me, too.”と言ったような気が。はて、このやりとり、どこかで聞いたような(注)。
足を踏み入れたのはfailed country(破綻した国)として知られるソマリアの中央部に位置するヒラーン州(Hiran)の人々が州政府の機構を整備し、州知事を新たに「選出」したことを祝う集まりだった。ケニアの他、欧米に散ったソマリアの人々が結集していたのだ。
私は残念ながら、ソマリアに取材したことはない。私がナイロビに勤務していた時、ソマリアはシアド・バーレ大統領の独裁政権だったが、国内各地の反政府活動により、当時すでに首都モガディシオ以外は無政府状態だった。バーレ政権がその後91年に崩壊した後は、ソマリアは武装勢力の抗争やイスラム急進派の台頭でさらに混迷を深めている・・・ぐらいのことは理解していたが、よくは知らない。
だから冒頭のとんちんかんな問いになったのである。さあ、困った。だが、集会参加者の私を見る目は明らかに好奇心に満ちていて、「招かれざる客」ではなさそうだ。とにかく、誰かに話を聞こう。そう考えていると、優しい笑顔をたたえた青年が「ようこそ、プレスの方ですか」と近づいてきた。いや、そうではない、この間まではそうだったが、今は、気ままにアフリカを旅している身であることを手短に説明する。そうですか、今日は我々ソマリア人とってとても嬉しい、歴史的な日ですから。一緒に祝ってください、というようなことを言われた。会場の喧騒がすごくて耳元で大きな声で話さないと相手の言っていることがよく理解できないのだ。
会場に足を踏み入れた時は夜の8時ごろだった。まさか、この後、日付が変わるまで長居することになるとは思わなかった。
(写真は上が、ソマリアの国旗にヒラーン州のシンボルをあしらったTシャツを着た若者。下が、会場に詰めかけたヒラーン州を中心にしたソマリア出身の人々)
注)どこかの国の首相がかつて、ビル・クリントン政権時代のホワイトハウスを訪問した時、英語に自信のない首相は側近に大統領に何と挨拶したらいいか聞いた。側近は「首相何の心配もいりません。ただ、微笑みながら、How are you? と言えばいいのです。そうすると、大統領は必ず、I’m fine, thank you. And you? と聞いてきます。そうしたら、首相はMe, too. と答えればいいのです」と説明。首相は安心してホワイトハウスへ。クリントン大統領との顔合わせで、歩み寄ってくる大統領に首相は Who are you? と言ってしまった。ユーモア心のある大統領は慌てることなく、I’m Hilary’s husband. と返答。首相も即座に Me, too. と応じたとか。本当か嘘かしらないが、一時、新聞記者の間で流布した噂話だ。ご存知の方も多かろうが、あえて参考までに。
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Comments:5
- ゆきちゃん 2010-08-23 (Mon) 20:49
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こんばんは。 だんだんこのブログ楽しくなってますね!
いつも楽しみにしています。恵子さんにも見せてますよ! - MAMA YOSHIMI 2010-08-23 (Mon) 23:39
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楽しそう!
フランクフルトの空港にてブログを読ませていただきました。
いかにもドイツという感じの空港内、アフリカとのカルチャーギャップは大きい! - 那須省一 2010-08-24 (Tue) 03:37
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ゆきちゃん
ありがとう。でも、これ以上、おもしろくなることはありません。
那須 - 古澤 2010-08-27 (Fri) 18:03
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クリントン大統領へ"Who are you"と挨拶した首相と同じ人だったか忘れましたが、訪日した大統領に「またお会いできてうれしい」の意味で、"See you again"とあいさつした、とメディアから馬鹿にされた首相がいました。
英語に詳しくない私もそのときは「それはサヨナラじゃないか」と笑いましたが、"Nice to see you again"ならば正解らしいと後に知りました。
那須さんは当時の真相をご存知ありませんか? - あつ子@カナダ 2010-08-28 (Sat) 00:18
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トロントに来た当時、どこに行っても必ずと言っていいほど「How are you.」と聞かれました。答えに慣れなくてついどのような気分の時でも「I am fine ,thank you.」と、つい言ってしまうのでした。ある日、日本からの友人に、必ず「How are you.」って聞かれるから答えを用意していたほうが良いわよ・・・と前もって言っていたのですが、彼は、自信を持って練習していたようですけれど、いざとなったら、「何も答えられませんでした・・・。」と言って嘆いていたのを思い出します。本場で本場の英語に接しますと思うように行かないことを学んだようでした。長く住んでいてもなかなか英語がうまくならない私ですが、それなりに度胸はつきましたね。笑)今でも、LとRには子供達から鍛えられています。・・・ということで英語の言葉の世界は子供達に頼っています。