- 2011-02-09 (Wed) 20:34
- 総合
田舎に戻る度に感じるのは物悲しさだ。故郷が段々やせ細っていくのだ。こういう思いをしないで人生を送る人をうらやましいとずっと思ってきた。人生とはこんなものかもしれない。そういう故郷が今もあるだけで幸せと思うべきかもしれない。
我が故郷には興味深い伝承や史実が少なくない。昭和54年だかに先人が東米良村史という労作を刊行している。その中でも面白そうな史実がそこかしこに記されている。西南の役で敗れた西郷隆盛が銀鏡の道を敗走、村の一軒の民家に泊まり、柱を背に一夜を明かしたことなどだ。江戸時代には一帯を治めていた武将の居城、銀鏡城も築かれていたとか。
余力があれば、将来、こうした史実を私なりに文章にできないものかと思っているが、はたして・・・。そうした昔のことを知っている人は当然、年々少なくなっているわけであまり残された時間はない。
長姉夫婦の家をお昼ごろに辞して、普段はめったに通らない西米良村へのスーパー林道を車で走った。まず、対向車とすれ違うことはない。深い緑の谷を見下ろす。観光資源とならないものだろうかとも思う。
西米良村では村を「カリコボーズの里」として売り出している。基本的には山の神のような存在だが、川に下ると水の神にもなる。夜になると、山の中から「ほー、ほー」という不思議な鳴き声が聞こえてくる主がカリコボーズだ。子供のころ、この鳴き声をすると、カリコボーズの機嫌を損じて悪さをされるとされ、真似をしたくても我慢した(ような)記憶がある。
西米良村では温泉の項でも書いたが、住民の方々がさまざまな村おこしに取り組んでいる。その一つ、小川地区では「平成の桃源郷」を目指して村外の人々を地区内に招じ入れる施設を築き、交流を図っている。銀鏡城の後に建てられた小川城が城址公園として整備されており、小川民俗資料館もあり、地区の歴史が紹介されている。私が訪れた時、数人の中高年のお客がいた。ご先祖が米良城主の家来だったとかいう人が民俗資料館の資料を興味深そうに見入っていた。
さて、故郷でくつろいだ後、明日、再び高速バスで福岡に向かう。福岡ではこれまでホテル住まいだったが、これからは高校・大学時代の先輩のアパートの一室に居候させてもらうことになっている。独身貧乏ゆえに大助かりだ。しばらくはもう書くこともないかもしれない。あれば書こう。実家で焼酎を2杯ほど聞こし召しただけだが、なんだか、連日の深酒で少し肝臓が疲れているようだ。「あんちゃん、おみはもうそれでいいや。俺ももうこれでやめとくわ。あした、車ば運転して宮崎まで出らんといかんしな。ウイッ」
(写真は上から、スーパー林道の途中にある虹の滝。西米良村の小川城址公園。幼馴染の純ちゃんが持って来てくれた小学校時代の全校生徒の記念撮影の写真。初めて見た写真だ。昔はこんなに子供たちがいたのだ。私は当時小学2年生。前から4列目のほぼ中央に写っているのを何とか見つけた。若い。当たり前だ)
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Comments:6
- 安代 2011-02-09 (Wed) 23:47
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おじいばい。
みんなが太陽を見て眩しい顔ばしてるね。
いったいどこから撮ったのかなあ。
校長室からかなあ。
しかし 自分をみつけることができたちて すごいもんじゃね。
4倍にしてみたらみんなの顔がゆがんでみえてへんじゃった。
2倍にしてみたら同級生の男の子とその周辺の女の子もわかったちゃけど自分はわからんかった。
だからちておしえんでいいかいね!!
こん写真ば持ってきてくれた純ちゃんありがとう。
フラフープしに純ちゃんちに行ったこと思い出したよ。
最前列にいる女の子には去年の9月に成田で会ったよ。
こん子は今も目がくりくりしていて可愛かったばい。 - mutsuo 2011-02-10 (Thu) 09:30
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あらあ、さっき書きこんだっちゃけんどん、載らんな。チェックしてかい載るごつ変えたつじゃな?
- mutsuo 2011-02-10 (Thu) 19:00
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おや、大丈夫ですね。
消えたとには、割烹まどころのことじゃら、米良、銀鏡のことじゃら書いたとじゃけど、もう一回書くとはひんだれるから、想像してください(笑)。まどころはブログがあるな。まっさんが書きよるとじゃろかい?YouTubeにも出ちょるが。なかなかいいこっちゃな。 - nasu 2011-02-10 (Thu) 22:06
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安代さん 「おじいばい」は久しぶりというか、活字では初めて目にしましたね。米良地区以外の方に「通訳」すると、「怖(お)じい」ということです。「怖じい」とは「怖い」という意味ですが、上記の場合はちょっとおどけて、「たまげたばい」といった程度の意味あいです。
睦ちゃん 消えた文章は想像しとくわ。今日(10日)も時間があればのぞこうかと思うたけんど、宮崎から博多へのバスの時間の関係でいけんかったわ。 - 本部 2011-02-15 (Tue) 16:05
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「アフリカをさるく」を古いほうから順に読ませてもらいました。感覚的にも意識としても遙か遠い国が少しは身近に感じられるようになってきた頃、エジプトがテレビニュースに出るようになって複雑な気分です。そしてちょっと留守にしている間に那須君は米良に帰っていたんですね。米良の言葉は耳慣れないものでした。かりこぼうずは新田ではヒョウスンボと言います。「~ば」とか「~ばい」というのも初めて聞きます。「英語でさるく」も読んでみようと思いますが、英語の部分をとばして読んでも意味が分かるかしらん…!?
- 那須 2011-02-15 (Tue) 17:19
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本部さん 最初から読んでいただいてお礼言います。疲れたでしょう。今、ブログをまとめた本をミニ解説など新たに付けて制作しています。来月には完成します。完成したら、またこの欄でお知らせします。エジプトで起きた変革がなぜブラックアフリカでは起きないのか少しは参考になるかと思っています。「英語でさるく」もいいですが、マーク・トウエィンの翻訳「二人の運命は二度変わる」をお勧めします。苦労して翻訳しましたので、ぜひ読んでみてください。米良弁だと「読んでくれりゃったら、うれしっちゃがー」となりますかしら。いや、これは西都弁?