- 2011-02-07 (Mon) 17:35
- 総合
便利になったものである。こうやって田舎の実家に戻り、こたつでぬくもりながらパソコンを打っている。ついこの間までインターネットはもちろん不能、携帯電話も常時「圏外」だった。職場の同僚に自分の故郷では携帯が通じないからと言うと、「え、そんなに田舎なんですか」とあきれられたものだ。
銀鏡は九州に多い落人部落なのだろう。ただ、古事記だか日本書紀だかにこの地名の由来が書いてあり、簡略に説明すると、古の昔、ニニギノミコトが美しいコノハナサクヤヒメを見初め、プロポーズしたところ、姉のイワナガヒメも妻とする運びとなった。ところが、イワナガヒメヒメは妹と異なり、醜い容姿だったため、ニニギノミコトから送り返され、悲嘆にくれたイワナガヒメがその時手にしていた鏡を放り投げ、その銀の鏡が我が故郷の山中に落ち、地名の由来になったと聞いている。
子供のころ、兄たちと遊んでいて、田畑の土の中からやじり類のものを幾つも見つけたことがあるから、かなり昔から人が住んでいたのではないかとも思う。古代へのロマンをかきたてる地ではある。
過疎化の波に抗することが困難なのも現実だが、蓄えのある(私のことではない)定年後の日々を送るには最適の地ではないかと思ったりもしている。これまでのネックは携帯電話が圏外になることだったが、それも解消したようだ。近い将来余裕あるセカンドライフを送る人たちが移り住んでくれないものかと願う。
話が湿っぽくなった。天気もいいので、ドライブを兼ね、近くの西米良村にある温泉「ゆたーと」に行く。隣村とは言え、車で40分ぐらいの距離だ。直線距離ではそうでもないのだろうが、曲がりくねった道を行くだけに時間はかかる。野趣あふれるドライブと表現したい。前回の項で「西都温泉」の湯質をほめたが、「ゆたーと」もまた素晴らしい。実際、この温泉の魅力に引かれ、宮崎市内からもやって来る常連客が少なくないと聞いた。
参考までに西米良村は黒木定蔵村長以下、村おこしに精力的に取り組んでおり、敬意を抱かざるを得ない。読売新聞西部本社勤務時代に九州の山村、漁村を歩いて書いた拙著「集落点描」でもこの村を取り上げた。私なりのエールを送りたかったからだ。
「ゆたーと」は期待通り、いい湯が楽しめた。銀鏡でもこんな施設があればいいのにと思ってしまう。さあ、今宵は地元に残っている幼馴染の鉄っちゃん夫婦と語ることになっている。奥さんの純ちゃんも同級生。米良弁で語り合うのだ。正真正銘の幼馴染だから、何の気兼ねもない。いつも飲み過ぎてしまう。いつかの夏休みでは足元がふらつき、実家の石段で滑って石段わきの溝に転落したことがあった。背中を強打してしばらく起き上がれなかったが、幸いその程度の打撲で済んだ。亡きおふくろが護ってくれたのだと今でも思っている。今夜はほどほどにしておこう。
(写真は上から、西米良温泉「ゆたーと」。露天風呂。露天風呂から対岸の山をのぞむ。入浴料400円。こんな温泉が近くにあったら間違いなく毎日でも通うだろう)
Comments:1
- 安代 2011-02-07 (Mon) 23:20
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ああ~
雨が降らない日がつづいているっちゃね。
インフルエンザに注意せんといかんよ。
西米良の小河孝浩さんの公式サイトにおじゃましてきました。
西も東(銀鏡は旧東米良村じゃったね)もこれからゆっくりゆっくり桃源郷になっていくちゃね。