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二日酔い(hangover)

  • 2011-01-26 (Wed) 15:07
  • 総合

 久しぶりに二日酔いだ。頭が重い。なんでこんなになるまで飲むのかといつも翌朝になって思わないでもないが、これも成り行きだから仕方ない。
 これも久しぶりの東京。少し遠ざかっていると、この都市の人の多さには驚かざるを得ない。よくこんなところに住めるものだと思う。かつて自分も住んでいてこう言うのもなんだが、時に所用で上京するぐらいが丁度いい。
 昨年まで勤務していた新聞社の定年退職者送別昼食会なるものがあって上京した。翌日、在京の高校時代の同窓生が集まってくれた。私たちは「なんじゃろ会」と称して年に少なくとも1回集まっている。もう30年近く続いているのではないかと思う。常連メンバーは7人程度の小さな集まりだ。高校時代には彼らとこれだけ長い付き合いになるとは思わなかった。
 この夜集まったのは私を含めて5人。居酒屋で飲み、食い、語った。言葉は自然とお互いの出身地域の方言になる。私たちは宮崎県西都市出身だが、微妙に方言は異なる。私は米良(めら)弁だ。仲間は穂北弁だったり、三財弁だったり、妻弁だったり。「おまや、なんば飲むや。ビールかい行くや。最初から焼酎にすっかいな。睦夫、わりゃ、どげすっとか」「こみやの宮様は用事があって来(こ)んちて言うとっとけど、ほんとに来んとかな。あれがおらんと寂しいな。いや、静かでええかもしれん」などといった調子で盛り上がっていく。活字にすると猥雑な印象だが、時に優雅に聞こえなくもない。
 手前味噌になるが、米良弁には今なお古語が生きている。私は田舎に帰ると、年上の人には「おみは元気じゃったや」などと話しかけている。「おみ」はおそらく「御身」という漢字になるのだろう。年下に「おみ」と呼びかけることはない。相手に対する尊敬の念はこの呼びかけだけで十分に通じる。
 私は皆より一足早く退職したので、自由気ままな日々だが、仲間はまだ「現役」。自分で会社を経営して人を雇っている者もおり、彼らの話を聞いていると、いや実に忙しそうだ。敬意を表したい。だが、この夜の集まりではいつものように学生時代に戻って昔話に花を咲かせる。話がどこでどうなったか、かつて仲間の一人が心をときめかせたマドンナに電話をしてみようということになった。こういうことにかけてはまめな者がいて、故郷で所帯を持つ彼女の携帯に早速電話。一人ひとりが「今晩は。元気しとるや」と言いながら話す。私も行きがかり上、「俺のこつ、覚えとるや?」などと言って、ひとしきり話したが、今は何を話したのか全然覚えていない。まだ24時間も経過していない。記憶に残っているのは、電話の向こうの声が18歳の乙女のころのように瑞々しかったことぐらいだ。
 このブログで以前、友情という「木」にはたまに「水」を与えないとやがて枯れてしまうかもしれないと書いたが、我々の「木」は年1回は「水」をたっぷり注いでおり、これからも枯れることはないだろう。そう願う。ああ、楽しい一夜だった。ウイッ。

Comments:3

mutchan 2011-01-26 (Wed) 19:28

那須君、こん記事はまこちおもしりわ。

たまにゃ、こんげなつもいいね。昨日は楽しいひとときじゃった。

きょうは、俺ん二日酔いじゃったが、仕事つに穴をあけるわけにゃいかんし、示しもつかんかい、がんばったど。

でん、焼酎とにんにくの匂いがひどすぎるて女房に言われたが。朝んま、人と会わんといかんかったちゃけんどん(会うたけんどん)、そん人に匂うちょったら、なまのさんが。のさんとはそん人んほうじゃわな(笑)。

本部 2011-01-26 (Wed) 21:51

ブログというものを初めて訪れてみました。昨夜は楽しかったようですね。西都弁が聞こえてきそうです。「アフリカをさるく」じっくり読ませてもらいます。

那須 2011-01-27 (Thu) 01:01

むつちゃん ご苦労様でした。そうや、にんにくが臭ったや。料理にあったかな。でも、お前さんがブログでいつか書いていた故郷の方言集、あれは良かった。あれにはかなわんわ。
本部さん 不思議やな。40年近い歳月を経てこうしてチャットできるのわ。うれしいばい。なんじゃろ会のみんなもそう思うとるやろ。言いたいことはまだ沢山あるけど、とりあえず、ありがとう。

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