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ナイトツアー

  • 2010-11-25 (Thu) 07:06
  • 総合

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 ケープタウン市内は快適な空間だ。期待していた識者とのインタビューのアポがなかなか取り付けられないので、気分転換に市内観光を楽しんだ。夕方6時から2時間半ほど、ケープタウンをナイトツアーのバスが走っている。料金は80ランド(約900円)。
 リーフレットに記された港、ウォーターフロントにある水族館が集合場所だ。夕方6時といっても、南半球の南アは今が夏だから、まだ明るい。30人ぐらいの観光客が集まっていた。ほとんどが白人。欧米からの観光客だろうか。
 ほどなく、ロンドンで見かけるような赤い2階建てのバスがやってきた。2階の後部座席は天井もなく吹きさらしだから、写真撮影にはうってつけだ。乗り込む前にイヤホンを渡された。イヤホンホールに突っ込んでボリュームを調整していると、言語のチャンネルがいろいろあるみたいだ。「伊」という文字が見えたので、なんでイタリア語をわざわざ「伊」という漢字で示しているのだろうと思いながら、適当に押していると、電光表示部分に「JPN」という表現が出てきたのではないか。おお、日本語の案内もあるということか。
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 さて、出発。イヤホンで男女の日本人の「案内」に耳を傾けながら、まずはビーチに沿った道路を通った。クリフトンビーチでは南アで一番の高級住宅地だという紹介を受けた。なるほど、見るからに高そうな邸宅が道路上の崖際や浜辺に広がっている。「南半球では日当たりのいい家というのは北向きです」という「案内」に「なるほど」。ライオンズヘッドと呼ばれる岩山のふもとの駐車場でトイレ休憩。ここからはアパルトヘイト(人種隔離政策)時代にネルソン・マンデラ氏らが収容された悪名高きロベン島が見渡せる。
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 この駐車場には観光バスのほかにもレンタカーやマイカーで乗りつけた人々がひっきりなしに訪れる。感心したのは自動販売機や売店の類が一切ないことだ。ケープタウンのこの一帯は豊富な生態系で知られており、環境に配慮した措置だろうか。バンを改造した車が一台、コーヒーを販売していて、こちらは客が群がっていた。というのも、ここは風が半端ではないのだ。写真を撮るため、先述の2階の吹きさらしに座っていたが、いや、強風で「案内」のテープが良く聞き取れないほどだった。これだけの風に吹かれたら、コーヒーで暖を取りたくなるというものだ。「案内」では南東の方角から吹き付ける強風は「ケープドクター」と呼ばれ、地上の汚れを吹き清めるからこの名前がついたという。そういえば、タクシーの運転手さんもそう言っていた。なかなかしゃれた表現だ。
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 それにしてもと思った。昔はこんな観光バスが走っていたのだろうか。いや、走っていたわけがない。アパルトヘイト時代は日本を含めた国際社会は南アに対してサンクション(経済制裁)を課していたのだ。そういう意味でも時代の変遷を再認識したナイトツアーだった。
 (写真は上から、クリフトンビーチに向けて走るバス。向こうに見えるのがライオンズヘッド。続いてクリフトンビーチ(だと思う)。ダイヤモンドヘッドのふもとの駐車場からロベン島を望む。大西洋に夕陽が沈もうとしていた。午後7時半過ぎごろ)

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