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中国の存在感

  • 2010-10-26 (Tue) 01:47
  • 総合

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 これまでのアフリカの旅で感じたのは露出度を増すばかりの中国人の存在だ。それは道路、公共施設といった大規模なプロジェクト工事の面だけでなく、町を歩いていて、彼らが仕切る商店がずらっと並んでいる光景に出くわすことでも感じざるを得ない。
 ダカールでは両側の通りが中国人の商店でずらっと席巻されている大通りもあった。地元のセネガルの人々が売り子になっており、一見違和感はないのだが、商店の奥をのぞくと中国人が店主として控えているのである。地元の若者がこうした店で商品を手に入れ、さらに人通りの多い中心部で小売りしてマージンを稼ぐ図式が定着しているらしい。すでにこの国には3万人の中国人が居住しているとも聞いた。(ちなみに在留邦人は200人に満たない)
 地元の人々はどう見ているのか。「一長一短だ。中国の製品は安いから一般大衆でも手が届き、助かる。それを売って歩く若者たちにも雇用の場を提供していることになる。しかし、逆に言えば、セネガルの商品は彼らのものに値段の点で太刀打ちできない。地元の経済が育つ芽を摘んでいるという点では良くない。総合すると、否定的要素の方が大きいかもしれない」。地元の人はそう解説してくれた。セネガル人が不満を抱く点がもう一つ。「彼らはあまり我々と交わらない。食事も自分たちの仲間が営む食堂でする。地元還元が少な過ぎる」
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 ナイロビに戻ったその日の地元紙に目を通していて、この問題に焦点を当てた特集記事が掲載されていた。「中国:アフリカにとって天恵それとも災い?」という見出しの記事は、アフリカに進出した中国の企業が地元の人々を劣悪な条件で雇用していると批判している。
 報道が事実に即したものであれば、特集記事で紹介されている実態は穏やかではない。例えば、ザンビアの鉱山では数週間前、賃金交渉のもつれから中国人の現場責任者らが発砲、作業員13人が負傷。ボツワナでは最近、スタジアムの建設工事で現場の実態を議会関係者に視察させた作業員が中国人の同僚4人に暴力を振るわれ、その4人が逮捕された。その他、記事によると、中国側がセメントとかペンキとかいった資材を現地調達せず、自国から運んでいることも不快感をあおる一因となっている。
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 中国の近年のすさまじいアフリカ進出が地元の人々に感謝され、両者の草の根での信頼関係強化につながるのか。これからが真価の問われることになるのだろう。
 (写真は上から、ダカール市内の大通りの中国人が店主の商店。こうした商店が通りの両側にずらっと並んでいる。中国のアフリカ進出の実態を報じたナイロビの地元紙。ダカール市の郊外の丘に立つ「アフリカン・ルネッサンス」の像。ワッド大統領の肝いりで北朝鮮の会社により建設され、今年4月の独立50周年記念式典でお披露目された。無知や隷属からのアフリカの解放を意味するというが、約25億円の巨額の建設費や女性像がセクシー過ぎるのではなどと、一般の市民からは酷評されている。高さ49メートルで、米ニューヨークの自由の女神像を上回る高さだという。この記事とは関係ない写真だが)

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