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セネガル相撲

  • 2010-10-19 (Tue) 09:43
  • 総合

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 ゴレ島を歩いていて、面白い光景を見た。女の子が向かい合ってお互いの手を探りあい、そのうちにがっぷり四つになったかと思うと、投げの打ち合いになり、一人がしりもちをついた。そうしたら、もう一人が大喜びで「勝った、勝った」という感じで小躍りを始めたのだ。まるで相撲のようだなと思った。
 これがセネガル相撲との出会いだった。この国の主要言語、ウォロフ語ではベレという。素手で殴ることも許されるベレもあるようだが、私が興味を抱いたのは日本の大相撲に似た、相手を投げ倒し、両手両膝を地面につかせるか、尻餅をつかせると勝負がつくベレだ。
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 数日前からダカールのガイドをお願いしている学生のハリファさん(29)に案内してもらい、ダカールの数多いビーチの一つに足を運んだ。そこでは朝夕、若者がベレの一流レスラーを目指し、トレーニングに励んでいた。国内には4千人ほどがベレのレスラーとして登録していて、皆が「ブルランブ」と呼ばれる最高位を目指している。大相撲で言えば、横綱だろうか。プロの上級者のバトルとなると、テレビ中継もあり、体に身につけるお守りとか魔よけとかいった装身具なども見物だという。大相撲のように一瞬に勝負がつくものではなく、柔道で言えば組み手の探りあいのような時間が長々と続くとも聞いた。
 ビーチでは数え切れないほどの若者がそれぞれ50人程度のチームに分かれ、走り込み、うさぎ跳び、腕立て伏せなどをしていた。その数、千人ほどはいたであろうか。
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 近くにいた若者にベレの「本番」を見せて欲しいとお願いした。相撲とそっくりの激しい探りあいを経て、投げを打ち合い、片方の若者が右ひざを砂地につけた。相撲だったら、これで勝負ありだが、ベレではまだ決着しない。しばらく激しくやりあった後、片方が投げを食い、砂地に腹ばいにさせられた。これなら勝負あり。
 勝負を見守っていたアブドゥル・セクさん(22)は「毎日朝5時にはこのビーチに来て、3時間ほどトレーニングしている。午後は3時ぐらいから3時間ほど。プロになってこれまで2試合戦い、1勝1敗。ファイトマネーも出た。夢はもちろん、ブルランブになること」と話した。セクさんの身長は170センチ、体重85キロ。周囲の若者と見比べてもそう重量級には見えない。「大丈夫だよ。トレーニングでこれからもっと筋肉をつけるから」と意気軒昂だった。
 ハリファさんによると、セネガルではサッカーに負けないほど、ベレは人気のあるスポーツだ。「ベレは他にあてのない若者にとって、貧困から抜け出す手っ取り早い手段。だから、彼らはチームに所属し、体を鍛え、一流のレスラーになることを目指すのです」。日本ではかつて「土俵の下には金が埋まっている」と言われたものだが、セネガルでは「砂浜の下には金が埋まっている」といったところだろうか。
 (写真は上から、ビーチを走るベレのレスラーの若者たち。うさぎ跳びで足腰を鍛える。砂浜だからきつさは相当だろう。ベレの「本番」の稽古。相撲で言えば、差し手争いといったところか)

Comments:1

セニョール 2010-10-20 (Wed) 10:18

セネガル相撲、そんなに盛んとは知らなかったです!!
で、那須さんは、チャレンジしなかったんですか???

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