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頼りは同業者

  • 2010-10-16 (Sat) 18:24
  • 総合

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 ダカールで地元の英字新聞が発行されていない(と思われる)ことは前回書いた。フランス語が母国語だからいたし方のないことではある。日本でも今でこそ、大きなコンビニであれば、英字新聞を手にすることができるが、我が故郷・宮崎県では私が知る限りJR宮崎駅か宮崎空港にある売店以外では残念ながら英字新聞を買うことはできない。
 と我が故郷のあまり喜ばしくない現状を紹介しても始まらないのだが、(元)新聞記者が初めて訪れた地でどうやって信頼できる地元の情報を聞きだすか。手っ取り早いのは同業者を訪ねることだ。ダカール市内にある Observateur という新聞社を訪れた。この新聞の名前を何と発音するのかさえ分からない身だが、電話で「チーフエディター」と名乗った男性は「ブロークンイングリッシュで良ければお話ししましょう」と言ってくれたのだ。
 案内されたのは細長く立ったビルの小さな一室。日本で言えば、新聞社の地方都市の支局のような感じのオフィスだった。相手をしてくれたのはセリーン・サリュー氏。
 「セネガル(人口約1,200万)は今年で独立50年の国です。正直に言うと、貧困の除去、教育の充実など問題は多々抱えています。一日三度の食事ができない人々も少なくありません。でも、セネガルは民主主義の国家です。新聞の言論も活発でエスニック(民族・部族)グループの確執もありません。国民の95%はイスラム教徒ですが、他宗教の人々にも寛容ですから、宗教的対立の心配もありません」とサリュー氏は語った。
 「現在のワッド大統領の努力を私はある程度評価しています。(84歳と高齢なため)大統領の息子(有力閣僚)を次の大統領に推そうとする動きも一部に見られますが、我々の国で公正な選挙なしに大統領が誕生することには国民が黙っていないでしょう」
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 サリュー氏はインタビューの中で、セネガルの国民の融和が根付いていること、言論の自由が保証されていること、国軍の政治への介入の懸念がないことをしきりに強調した。
 インタビューの前に、パソコンでこの新聞のホームページにアクセスしていた。かすかに期待していた英語版はなかった。この点を質問すると、サリュー氏は「実は英語で発信することの大切さを今実感しているところです。メインニュースぐらいは英語に翻訳できないか検討に入っているところです」と語った。
 編集室には10人程度の男性記者がいた。女性記者はいないのかと尋ねると、サリュー氏は「わが社の記者は約30人。そのうち、女性は数人。女性は新聞社よりも顔が出るテレビ局に勤務する方を好むようです」と言って笑った。私もつられて笑っていたら、黒いベールをかぶった若い細身の女性記者が駆け込んで来た。「ボンジュール」。美しさに見とれて、彼女の写真を撮らせてもらうことを忘れたことにだいぶ歩いてから気づいた。
 (写真は上が、Observateur社の最高幹部の二人。とても気さくな雰囲気だった。左の男性がサリュー氏で右は彼の上司。下が、サッカーのようなゲームに興じる若者。左の女の子は愛嬌のある子で名前はアイシャ。しきりに私のそばに寄って来て手を触りたがった。この日が2歳の誕生日とかで、「お祝い」にチョコレートを買ってあげた)

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